8月26日金曜、北欧最大級と言われる<オーフス・フェスティバル>のオープニング・ガラで渋谷慶一郎+初音ミクのボーカロイドオペラ『THE END』がデンマーク初演された。そしてこの夜はガラ公演終了後わずか60分のインターバルで『THE END』を一般客向けにも再び上演。更に『ATAK DANCE HALL with YKBX』をダウンタウンエリアへの移動を挟んで立て続けに2セット行う前代未聞のタイムテーブル。<オーフス・フェスティバル>は幕開けと共に一気に沸点に達した。
デンマーク第二の都市、オーフスは欧州文化首都2017に選ばれるなどカルチャーシーンで注目を集めている。同市最大のイベント、<オーフス・フェスティバル>における初の女性ディレクター、リッケ・オクスナーは“upside down”をコンセプトに、既存の常識を離れ未来に向かうアグレッシブなフェスティバルを構想。その象徴として『THE END』で『フェスティバルの幕を開ける』ことを選んだのである。1日合計4公演(!)というその“狂乱の一夜”をタイムラインで記そう。
THE END in Aarhus 2016.08.26 Curtain Call
18:15ー オープニング・ガラ 『THE END』 No.1
エントランスにはレッドカーペット、VIPとドレスアップした招待客が大半を埋める会場で市長によるフェスティバル開催宣言と文化大臣による祝辞で始まるガラ。フォーマルな空気にいつにも増して賛否両論が予想されたが、終演後、文化大臣はフェスティバルのコンセプトを日本の先端文化が体現したと評価したと伝わっている。会場となった「Musikhuset Aarhus」は通常はオーケストラやオペラ、メジャーなロックコンサートからディズニーコンサートなどを行うオーフス最大のコンサートホールで、音響設備やテクニシャンの質も高く、圧倒的な完成度と迫力でVIPたちの度肝を抜く初演となった。
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