21:00ー 『THE END』No.2
21時（！）スタートでこの夜二度目の『THE END』。打って変わって熱心な音楽ファンが集まり、人口の少ないオーフスではまず満員にならない会場はほぼ超満員。開演時に客席の照明が落ちるだけで拍手と歓声が湧き上がる異様な盛り上がりで幕を落とした。それでもダークでヘビィな世界観に最初は驚きと戸惑いは感じられたが劇中、初音ミクのアリアの後では拍手が湧くことが続き、カーテンコールは大歓声と熱狂的なスタンディングオベーションに包まれた。また終演後のサイン会も長蛇の列となり延々と終わらず、観客の興奮した様子から熱狂が冷めない夜となった。
22:45ー 『ATAK DANCE HALL with YKBX』 No.1
現地入りしてから急遽決定、サプライズとなった渋谷慶一郎とevalaによるダウンスミュージックユニット・ATAK DANCE HALL（以下ADH）をオーフスミュージクハウスのホワイエで実施。YKBXをVJとしてフィーチャーした『THE END』バージョンのADHは初演の2013年以来。公演とはうって変わった強力なビートとTHE END Remixも含んだ自在な内容にオーディエンスと、いつもはオペラやクラシックなどを中心とする場所のただならぬ気配に誘われた通行人が集まった。
24:00ー『ATAK DANCE HALL with YKBX』 No.2
息もつかずに会場前に待たせたタクシーでTHE ENDクルーはダウンタウンエリアに移動。これまた前日に決まったばかりの教会に隣接する広場で行われている野外イベントに登場した『ADH with YKBX』で居合わせた人々の度肝を抜いた。フェスティバル初日が一気に沸騰するとともに、オーフスは『THE END』と『ATAK DANCE HALL with YKBX』を同時開催した記念すべき世界最初の都市となったのである。
そして公演の評判は瞬く間に広がり翌日の朝刊トップの記事を大きく飾っていた。
まるで台風の目のように旋風を起こして去っていった「THE END」によるこのフェスティバルの開幕は強烈なインパクトを残したことは想像に難くない。
ボーカロイドオペラ『THE END』は、2012年に山口・山口情報芸術センター［YCAM］で初演された、初音ミクとボーカロイドによる音楽とキャラクターの映像を中心に構成された、歌手やオーケストラが一切登場しないオペラ作品。初音ミクが着用する衣装を当時ルイ・ヴィトンのアーティスティックディレクターを務めていたマーク・ジェイコブスが手掛けたことでも話題を集め、これまで渋谷のBunkamuraシアターコクーン、フランス・パリのシャトレ座、オランダのアムステルダム王立オペラ＆バレエでも上演され、各地でsold outを重ねている。
来年、再来年のヨーロッパでの公演も決定しておりテクノロジーを駆使したアートとエンターテイメントの融合としては異例のロングランを記録している。
