奈良県最古の醤油蔵が古民家ホテルに！泊まれる醤油蔵「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」が明日開業

1689年創業の醤油蔵元・マルトが、醤油蔵を改修した古民家ホテル「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」を8月29日（土）に開業することに。

泊まれる醤油蔵「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」が明日開業

70年前に一度閉業していたマルト醤油の復活に際し、18代目当主・木村浩幸が伝統の古文書を読み解き、醤油づくりに挑戦。伝統の製法を探り続けるうち、70年ぶりに蔵付き菌が生き続けていたことを発見し、「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」の開業に至ったという。蔵には古文書のほか、醸造場や居住棟、道具類が当時のまま残されており、建物の一部が改修された宿泊施設としてスタートする。

奈良固有の“大和棟造り”の名残りある母屋を中心とする屋敷構えは、伝統的な造りが残されており、築年数は約130〜140年。その佇まいから、当時この蔵に住み込みで働いていた蔵人たちの生活を、至るところで感じることができる。全7室の客室には、かつての醤油蔵元の使われ方に着想を得た家具や装飾も。また、古文書が保管されていた部屋は「府庫」、原材料が貯蔵されていた蔵は「糀」「碓」など、部屋名にも醤油づくりや蔵の歴史に因んだ名称が採用されている。

客室以外の空間には、蔵の創業当時から設えられているおもてなしの数々が。丁寧に手入れされた庭には、当時から来客を見守る七福神の飾り瓦や春日灯篭、社などの景色が広がっている。また、食事をする間は当時最上の客を迎えていた特別な奥の間だ。美しい庭の景色を眺めながら、澄んだ空気と静謐な空間で朝食を楽しむことができる。

そして70年ぶりに復活を遂げた醤油は、現在も醸造中。地元原材料と天然醸造製法にこだわったマルト醤油の醤油は、提供するまで約2年かけてじっくりと熟成させている。販売開始は2022年の予定だ。豊かな地域資源が色濃く残る田原本において、地域の新たな営みや関係性を育むために歩み始める「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」に是非ご注目を。