現代書家・中村美帆による個展が、東京・表参道の「ギャラリー同潤会」にて、2月24日(水)〜29日(月)にわたって開催。27日(土)にはオープニングパーティが行われ、書道パフォーマンスも予定されている。
ふだんは毛筆デザイナーとしてゲーム題字を制作する中村美帆。伝統的な「書」の技術だけにとらわれず、現代美術として、絵画的でグラフィカルな画面の作品が特徴。海外のアートフェアに作品を出品するかたわら、展覧会やライブイベントで書道パフォーマンスを行う。2011〜2012年の人形浄瑠璃とロックを融合させた舞台<ON-RAKU>では題字を制作し、伝統と前衛が入り混じる舞台の世界観を躍動的な「書」で表現した。
2013年4月に行われた個展の模様
人形浄瑠璃とロックの競演<ON-RAKU>では題字の制作、舞台パフォーマンスを行った(2012年/下北沢タウンホール)
今回、古典である王羲之の「蘭亭序(らんていじょ)」を、パンケーキに臨書した時のドキュメント写真も展示される。パンケーキの上に墨の替わりにチョコレートで綴られる「書」は一見の価値あり。
「『書』とはいえど、何千年も前から始まり様々な形があります。現代の一般の人がふだん目にするフォントや文字を扱うグラフィック、またはポップアート。その中に紛れ込むような文字を手で描く、というスタンスで制作しています。
今回は自身と『書』の関係についてポートレート作品も展示します。こちらもわかりやすく見たことがない作品ではないでしょうか。ご覧いただき、日々の文字を見るときにふと思い出していただけたら幸いです」と個展に向けて中村美帆は語る。