“極彩”を感じる。ヨシダナギ、スリ族にフューチャーした日本初の写真集発売

ヨシダナギ（nagi yoshida）は現在、国内でも特に異彩を放ち、かつ注目を浴びているフォトグラファーと言っても過言ではないだろう。独学で写真を学び、2009年より単身でアフリカに渡ると、憧れの地で彼らの写真を撮りはじめた。

アフリカの裸族と共に裸になったことがフューチャーされ、その奔放な生き方と写真が評価され、様々なメディアで紹介されている。なかでも、2015年末にTBS系『クレイジージャーニー』に出演し、一躍脚光を浴びたことは話題に新しい。しかし、ここまで彼女がフューチャーされるのには理由があるからだ。レンズだけではない、ヨシダナギという人間のフィルターを通した写真たちは、彼女にしか引き出せない唯一無二の作品となり、目にした人たちすべてに対し、確実に”何か”を動かし、開かせ、残しているからである。

そして本日、2016年3月25（金）。ヨシダナギ待望の1st写真集『SURI COLLECTION』が、全国書店にて発売する。この作品集はエチオピアの世界一ファッショナブルな民族といわれるスリ族にフューチャーした、日本初の写真集となっている。彼女自身が何度も訪問をして距離を縮め、彼女にしか見せない彼らの表情が多数収められている。本作は、2015年～16年に現地に赴き、撮影をした作品集だ。自らをさらけ出す彼女を認め、受け入れたスリ族の民は、とっておきのオシャレをしてレンズの前へと立つ。

花、葉、実、土、茎、枝など自然の素材をふんだんに用いた鮮烈なファッションは、先進国に生きる日本人の常識を揺さぶる。彼女が切り取ったスリ・コレクションは、異世界への入り口であり、アフリカの秘境で煌めく“極彩”を感じとれる。アート・クリエイティヴ……写真に興味がない人たちもいるかもしれない。しかし、彼女が撮影した、本作品集はただの写真集には感じられない。見る人のエッジを磨き、マインドブレクスルーを促進する1冊になっている。この作品を手に入れても、この先、決して色褪せることはないだろう。

また『SURI COLLECTION』の発売を記念して、2016年4月26日（火）から5月8日（日）まで、渋谷西武B館８階にて個展が開催。会場では特典写真スペシャルエディション版の発売が行われる。４月２９日（祝）14時には、RIP SLYMEのSU氏をゲストに迎え、オープニング・トークショーも行われ、『SURI COLLECTION』の奥にあるものを感じ取れる時間になるはずだ。

エチオピアに彼らはいる。
花、葉、実、土、茎、枝。
裸の体を地球上でもっとも鮮やかに彩る民を撮るために、
私も服を脱ぎ、裸になった。

褐色の肌に葉柄のスタンプ。
顔の周りに巻きつけた野生花のリース。
見たこともない実をつけた樹木のクラウン。
思い思いの草花を手当たり次第集めて、顔や身体に巻きつけていく。
石灰石や赤土を山から持ってきては水に溶かして自分の顔や体に塗る。
「同じ地球上に、こんな妖精のような人たちがいるのか」
メイクアップが終わった彼等らを目の前にした瞬間、
突然自分がおとぎ話の世界に迷い込んだような錯覚に陥った。

――ヨシダ ナギ（nagi yoshida）

オフィシャルサイト

text by Mako Masaya