1988年に『揚羽蝶が壊れる時』で海燕新人文学賞を受賞し作家デビュー。以来、『妊娠カレンダー』での芥川賞受賞をはじめ、『博士の愛した数式』など多くの作品が賞レースを席巻してきただけでなく、生と死、慈しまれるものの消滅といったテーマを繊細な筆致で描写し、希代のストーリーテラーとして名を馳せた小川洋子。海外からも圧倒的支持を獲得してきた彼女の最新刊『いつも彼らはどこかに』が、いよいよ5月31日(金)より発売となる。

ディープインパクトの凱旋門賞への旅に帯同することになる一頭の馬、森の彼方此方に不思議な気配を残すビーバー、村のシンボルの兎、美しいティアーズラインを持つチーター、万華鏡のように発色する蝸牛……。人の孤独を包み込むかのような気高い動物たちの美しさ、優しさを、新鮮な物語に描く小説集。まさに小川洋子ならではの世界観が際限なく広がっており、心の琴線に触れる感動の連作小説となる本作はファンならずとの必見の内容となっている。

本作の表紙にはいま各方面から大きな話題を集めているアーティストD[diː](ディー)がアートワークを提供。自身も動物たちをモチーフにした小説やアートワーク、プロダクトを数多く手掛けてきただけに、今回は理想的な組み合わせが実現したといえ、本作の世界観をさらに豊穣なものにしている。

D[diː]の描く動物たちが誘う、小川洋子最新刊『いつも彼らはどこかに』の世界。是非とも手にとって、ゆっくりと堪能してみてはいかがだろうか。

Release Information

2013.05.31(金) on sale!
Artist:小川洋子
Title:いつも彼らはどこかに
判型:四六判
頁数:224ページ
新潮社
¥1,470(tax incl.)