渋谷に位置するイベント・スペースTRAUMARIS|SPACEでは<瀬戸内国際芸術祭>への参加に合わせテ、白井美穂の近作を公開する。2008年、イギリス・サンダーランドでのアーティスト・イン・レジデンス滞在中にハイビジョン撮影によって制作され、国内ではBankART Studio NYKで発表された短編映画「Forever Afternoon 永遠の午後」を上映し、写真作品や新作ドローイングを合わせて展示。
「めちゃく茶会」とは、ルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」の一章。主人公である少女アリスが、気の狂った帽子屋のお茶会に同席し、三月ウサギやヤマネと共に繰り広げる、噛みあわない会話と不条理な世界のお話。この物語をベースにした映像作品「Forever Afternoon」は、2008-2009年、日英修好通商条約締結150周年記念の際に、イギリスと日本にて同時制作・発表された貴重な映像作品。
一方、3/20より開幕している「瀬戸内国際芸術祭2013」では、「Overcome the Modernity」と題し、「鏡の国のアリス」に登場する赤の女王と白騎士の行為をモチーフにしたビデオインスタレーションを展示される。カフェを併設したTRAUMARISでは、劇中と同じテーブルクロスがかけられたテーブルが、映画の鏡像のような茶席となり、茶会の客人として作品を観覧する事が出来る。ルイス・キャロルの描いた少女の空想世界は、大人になったつもりでいる私たちの想像領域をくすぐるように翻弄しながら、2会場を行き来していく。
またオープニングでは、詩人の松井茂氏をゲストに迎え、ルイス・キャロルの原文と矢川澄子の名訳の朗読をはじめとする、ポエトリーリーディングが行われる。また会期中には、世界にひずみをもたらす狂った帽子屋たるべきアーティストたちを招いた、不条理極まりないポエトリー&ライヴイベントも行われるの要注目だ。