夢はポールダンスで発電工場を作ること!?
どうしてこんなことを行っているのか? メガネさんに話を聞こうとしたところ、「パフォーマンスしながら質問に答えますよ」とおっしゃってくださり、急遽、観客の前での公開インタビューとなった。
青山健一さんがステージ後方に壁画を描く。それを照らすライトを灯すために、パフォーマンスして発電をするメガネさんに話を聞いた。
ーーなぜポールダンスで「自家発電」を行おうと思ったのでしょうか? 自家発電なら太陽光など他の方法もあったのでは?
それは私がポールダンサーだからです。以前から、踊りが生み出すエネルギーを別の形に変えられないかなと、踊りながら思っていたんですよ。
ーーこの発電装置はメガネさんが作ったのですか?
いいえ。私には工学系の知識がないので、自家発電装置を研究している人を調べてメールで協力をお願いしました。断られ続けましたが、なんと岡山県の工業高校の先生が興味を持ってくれたんです!
ーー学校の先生とポールダンサー。意外な組み合わせですね。
一所懸命に書いた手紙に熱意を感じて下さったようです。ただ、作り方を教えてもらっても私には作れないので、最終的にはダンスのポールを送りつけて作ってもらいました(笑)。
ーー今後の展開は?
今は発電装置がこれを含めて3台しかありませんが、これからは装置をもっともっと増やして大勢でパフォーマンスしたい。さらには、発電装置を体育館のような場所に100台以上並べて、ポールダンサーが24時間パフォーマンスして電気を作る、「発電工場」を作りたいですね。
観客もポールを回してみた
メガネさんの発電装置は、ポールを回すことで生まれる摩擦を利用して発電するので、「普通のポールよりも重たい。負荷は十倍以上」とのことで、メガネさんはヘトヘトに。「回してみたい人がいたらどうぞ」との呼びかけに、観客もステージ上の発電装置に集まり、順番に回してみた。
体験した人たちからは「思ってたより重い」、「これは大変。体力使うわ」、「男でも重いです」などの声が上がった。観客もその仕組みに興味津々。自転車をこいで発電するのと同じ仕組みだという。
メガネさんが「軽い力でも発電できるといいんだけど。もっと効率のいい方法もあると思うの。誰か詳しい人いませんか!」と呼びかける場面も。
その一方で、メガネさんはこうも話す。「でも蓄電するのは違うのね。やっぱり私のパフォーマンスで、灯りが点いたり消えたりすることで生まれるライブ感は大切にしたいんです。」
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