孤高の画家、赤木仁個展＜あなたまはや みたに ふたわたらす＞開催迫る。

初個展以来、10才までの銅山跡での体験を神話化した作品を描き続け、展覧会を中心に雑誌や新聞、単行本の挿し絵、壁画などいろいろな表現方法で活躍中の画家、赤木仁。

多方面から話題を呼んできた孤高の画家としても名高い赤木仁の6年ぶりの個展＜あなたまはや みたに ふたわたらす＞が開催される。2007年の＜AZUCHI あたまいっぱいの鹿＞展（リトルモア地下、原宿）以来久しぶりの新作展となる本展のタイトル「あなたまはや みたに ふたわたらす」とは、古事記に遺る、神の現われを歌った現存する最古の歌の1つ。

2007年に出版された「AZUCHI あたまいっぱいの鹿」（リトルモア）に集められた、あどけない多頭の鹿は、赤木が長年よどみなく描き続けているモチーフ。炎にのって空に浮かぶ、神の現われの予兆のようなこの鹿は、
近年の作品では入り組んだ山脈を漂ったり、純白の背景にぽっかりと出現したり、あるいは鱗のような雲のみがむくむくと湧き出ていたりと、さまざまな様相を見せる。

いにしえの世の人々がおそらくは日常にとらえていた、森羅万象に遍く宿る「神々」の霊感のようなものを、画家は繰り返し何度でも描くことによって、愚直なまでに鋭敏に、画布に定着させようと試みる。長年にわたり描きためていた膨大な点数の作品から、選りすぐった十数点を展示。また本展はシリーズで今後も各所に巡回予定。赤木仁による幻想空間、必見です。

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