和漢洋どのニュアンスにも繋がれる、オリジナリティあふれる墨絵イラストレーター、上田みゆきによる個展<代官山でつかまえて>がGALLERY SPEAK FORにて開催。
80年代以降、多くの広告ポスターやパッケージデザイン、雑誌などで重用され、商業ビルや博覧会、店舗などのウォール、インテリアなどにも取り入れられ、イラストレーション界に数多くのフォロワーを生んできた上田みゆき。本展は、彼女にとって約5年ぶりとなる本格的な個展だ。約30年前、何気なく筆を取り今の絵のスタイルを確立するきっかけとなったのは、代官山のとあるアパレルショップの仕事だったとのこと。その街で個展を開くにあたり、代表的なアーカイブ、好評だったシリーズの中からの自薦作品で構成することに。「自分らしさの集約を試みる機会にしたい」と語る。
上田みゆきの絵の持ち味は、墨絵タッチによる枯淡の美。輪郭や細部の描き込みがないにもかかわらず逆に、描かれるモチーフ本来の魅力を、滲みや擦れ、腕の振りを感じさせるダイナミックな勢いで明瞭に表徴してみせるのだ。ハンドドローイングのリッチな楽しさを味わわせつつ、ファッショナブルな洗練を踏まえ、時に見る者の笑いを引き出すコミカルさを合わせ持つのも彼女の表現ならでは。
本展では、掛け軸や巻物になった原画や、書籍・雑誌などで手がけた原画、限定制作されたシルクスクリーン作品など、約20点あまりの他、描きおろしの新作も約10点を展示、販売。また、オリジナルの立体作品やスカーフ、Tシャツなども販売される。墨汁を浸した筆が紙上を滑り出すことで生まれた、人や動物、草花など次々と美しい造形を堪能してみてはいかがだろうか。
Event Information
上田みゆき展<代官山でつかまえて>
2013.03.15(金)~2013.03.27(水)@GALLERY SPEAK FOR
OPEN 11:00/CLOSE 19:00(最終日のみ18:00)
DOOR ¥FREE
※木曜休廊