イギリスを代表するクラブDJ英国国営放送BBCラジオDJとして活躍し。日本でもラジオ番組を持っているジャイルス・ピーターソンがプレゼンターを務めるイベント<Worldwide:Japan Project>が10月8日(土)に恵比寿ガーデンプレイスで開催!

今回のイベントは10月7日(金)から10月10(日)の3日間にわたって恵比寿ガーデンプレイス内にあるザ・ガーデンホールで開催された<モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン2016>の一環として行われたフリーコンサートでした。

イベントの前半は「サンバ100年の歩み 100 Years of SAMBA」、後半は「JAPAN STAGE in TOKYO」の2部構成。恵比寿文化祭のステージで3連休の初日に通りすがりの買い物客の方も巻き込み、多くのオーディエンスを沸かせた本プロジェクトをレポートしたいと思います。

「サンバ100年の歩み 100 Years of SAMBA」

ブラジルのリオデジャネイロで生まれた音楽、「サンバ」が最初にレコーディングされジャンルとして確立されたのは1916年“Pelo Telefone”という楽曲と言われています。その1916年から今年2016年でちょうど100年! その「100年の歩み」を記念した1日限りのスペシャル・バンド「SAMBA 100 SPECIAL BAND」が恵比寿に登場しました。

Pelo Telefone (1916)

スペシャル・バンドのメンバーのなかでも、特に注目なのが日本におけるブラジル音楽の注目人物、伊藤ゴロー(ギター)と、ジャイルス・ピーターソンが率いるブラジルの一流ミュージシャンたちが集結した「ジャイルス・ピーターソンpresentsソンゼイラ・ライブ・バンド」の一員として来日した、マイラ・フレイタス(ボーカル、キーボード)です。その他のメンバーも豪華で斉藤良(ドラム)、溝添賢一(パーカッション)、秋田ゴールドマン(ベース)と一流のメンバーが揃っています。

伊藤ゴローは日本のブラジル音楽界を代表するミュージシャンで音楽監督を担当。作曲家、音楽プロデューサー、ボサノヴァ・ギタリストなど幅広く活躍。坂本龍一、細野晴臣らとも共演しています。

ブラジルのミュージシャンとも親交があり、2015年ブラジル・ディスク大賞ではジャキス・モレンバウムとのアルバム『ランデヴー・イン・トーキョー』で2位を受賞しています。

伊藤ゴロー+ジャキス・モレレンバウム『ランデヴー・イン・トーキョー』トレーラーVol. 1

ブラジルから来日したマイラ・フレイタスは、サンバ界の重鎮マルチーニョ・ダ・ヴィラの娘で、姉のマルチナーリアもミュージシャンという音楽一家で育っています。リオ五輪の開会式では名シンガーのエルザ・ソアレスと共演を果たすなど、世界的に活躍しています。

Maíra Freitas – Lembrar de que

<モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン2016>とコラボレーションし、「サンバ100年の歩み」を記念するのにふさわしいメンバーが<恵比寿文化祭>の特設ステージに登場! 当日の朝は雨が、ちらつく曇り空でしたが3連休の初日ということもあり多くの観客が集まっていました。

スペシャル・バンドを目当てに来ている方、<モントルー・ジャズ・フェスティバル・ジャパン>の前にマイラ・フレイタスを観にきたという方。そして、ガーデンプレイスに買い物や食事を目的として来ている方も大勢いました。

どんな音楽が奏でられるか注目する観客の前に、今回のイベントのプレゼンターのジャイルス・ピーターソンが登場。MCでは「ブラジルといえばサンバ。ブラジル音楽でサンバと書いてあるレコードはほぼ間違いない。」と絶賛。

【ライブレポ】ジャイルス・ピーターソンが認めた才能が集結!マイラ・フレイタスと世界に誇る3人の日本人が圧巻のパフォーマンス! music161014_wwjpn_4-700x468
photo by Yuki Akase

ジャイルスはイギリスのロンドン在住で、マイラ・フレイタスはブラジルのリオデジャネイロ出身。そして本イベントは「東京」で開催ということで「ロンドン、リオデジャネイロ、東京」とオリンピックの開催地を辿るかのようで、まさに音楽は架け橋のようだだということも語っていました。

ジャイルスの熱意のこもった紹介の後に「サンバ100年の歩み」スペシャル・バンドが登場。マイラ・フレイタスは、キラキラ光る派手なジャケットとカナリアイエローのドレスに包まれて輝いていました!

【ライブレポ】ジャイルス・ピーターソンが認めた才能が集結!マイラ・フレイタスと世界に誇る3人の日本人が圧巻のパフォーマンス! music161014_wwjpn_5-700x468
photo by Yuki Akase

拍手で観客に迎えられ、マイラ・フレイタスのアルバム『Mira Freitas』から“Manbembe”のイントロのキーボードが鳴り響きライブの始まりを告げます。午後の恵比寿に心地よいメロディーと繊細かつ迫力のあるマイラの声が響きわたりました。

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photo by Yuki Akase

1曲目でオーディエンスをブラジルの陽気な雰囲気へと誘ったスペシャル・バンドは、“Cravo E Canela”、“Rosa Morena”を披露しさらに会場を盛り上げました!

4曲目には“Pelo Telefone”が演奏。「サンバ100年の歩み」をというテーマのもとで開催された今回のライブで最も重要といえる曲です。今から100年前の1916年にレコーディングされ、サンバというジャンルを確立した“Pelo Telefone”のパフォーマンスは間違いなくこの日のライブのハイライトでした!

続いて、“Desde que o Samba é Samba”、マイラのアルバム『Piano e Batucada』の収録曲“Lembrar de Que”へ。

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そして「最後の曲はみなさんも知っている曲だと思います。」という伊藤ゴローのMCに続き、“Aquarela do Brasil”が演奏されました! このアリ・バホーゾ作曲の名曲は日本では“ブラジル”というタイトルで知られ吹奏楽でも演奏される機会も多く、なじみのある曲でした。

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【ライブレポ】ジャイルス・ピーターソンが認めた才能が集結!マイラ・フレイタスと世界に誇る3人の日本人が圧巻のパフォーマンス! music161014_wwjpn_18-700x468
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Ary Barroso: Aquarela Do Brasil – BBC Proms

アンコールでは「サンバ」という歌詞が登場する“Tristeza”が演奏され約40分間にわたるライブが締めくくられました。ライブがスタートした頃には曇り空で雨もちらつく天気でしたが、ブラジルの陽気な音楽とマイラの歌声に誘われてか晴れ間が覗き太陽の光が差し込みました。

日本で、サンバというと「リオのカーニバル」という印象が強いですが、音楽への嗅覚と抜群のセンスを持ったジャイルス・ピーターソンを虜にする「サンバ」を体感出来た濃厚な体験となりました。

【ライブレポ】ジャイルス・ピーターソンが認めた才能が集結!マイラ・フレイタスと世界に誇る3人の日本人が圧巻のパフォーマンス! music161014_wwjpn_29-700x468
photo by Yuki Akase

10月8日@恵比寿ガーデンプレイス特設ステージ

Manbembe
Cravo E Canela
Rosa Morena
Pelo telephone
Desde que o Samba é Samba
Lembrar de Que
Aquarela do Brasil

Encore
Tristeza

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