演劇『妖精の問題』のオンラインツアーが5月29日(土)から5月30日(日)の期間中、中国・上海、インドネシア・ジョグジャカルタにて開催されることに。
Q/市原佐都子『妖精の問題』初のオンライン海外ツアーが開催
本ツアーは、『バッコスの信女 ─ ホルスタインの雌』にて第64回岸田國士戯曲賞受賞した新進気鋭の劇作家・市原佐都子率いる「Q」による初のオンライン海外ツアーとなっている。
2018年<KYOTO EXPERIMENT>の公式プログラムとしても上演された本作は、2016年に起きた相模原障害者施設殺傷事件をきっかけに書かれた作品だ。現代日本社会において差別や嫌悪の対象となり、ときに見えないことにされているものごとに妖精の名を与え可視化し、人間の生と性を過激に問い直していく作品となっている。2020年にはオンライン版としてzoomを用いた上演も敢行された。
今回の中国語字幕配信では舞台版『妖精の問題』の映像配信、インドネシア版配信ではオンライン版『妖精の問題』に現地俳優を迎えインドネシア版として配信される。さらに現地プロデューサーやゲストを交えたトークセッションも開催。日本、中国、インドネシア、それぞれの文化的コンテクストを持ち寄ることで「妖精」の本質について考えていくセッションとなる予定だ。新型コロナウイルスの影響により苦境に立たされている舞台芸術や国際交流に対し、新たな風を吹き込むオンライン海外ツアーという試みにぜひご注目を!
この作品が、中国とインドネシアの観客にどのように受け取られるのか、また、どんな対話が生まれるのか楽しみにしています。
市原佐都子
EVENT INFORMATION
Q/市原佐都子『妖精の問題』オンラインツアー
作・演出:市原佐都子
プロデューサー:Zhang Yuan(中国・上海)、Muhammad Abe(インドネシア・ジョグジャカルタ)
中国語字幕配信
2021年5月29日(土)〜30日(日)
舞台版『妖精の問題』を動画配信サイトbilibiliにて期間限定公開
言語:日本語上演、中国語字幕
視聴料:無料
インドネシア版配信
2021年5月30日(日)WIT 15:30〜/JST 17:30〜
過去に行ったオンライン公演の記録映像を一部使用しながら、新たに現地キャストと協働するインドネシア版『妖精の問題』を上映
言語:日本語、インドネシア語上演、インドネシア語字幕
視聴料:無料(要予約)
トークセッション
2021年5月 29日(土)(中国のみ)
日本、中国の2か国のトークセッション
日中の演劇シーンの状況や文化的コンテクストを互いに共有、意見交換し、『妖精の問題』への理解を深めていきます。
2021年5月30日(日)(中国・インドネシア 合同)
日本、中国、インドネシアの3か国の合同トークセッション
作中で語られる「妖精」とは何か?それぞれの社会の中で、「見えない(ことにされている)もの」とは?作品を通じてそれぞれの問題意識を交換しトークを行います。