長く続くコロナ禍でおうちで過ごす時間も増え、模様替えのためにインテリアや気分が晴れやかになるような日用品を買い揃える方も多いのではないでしょうか? そんな中、インスピレーションを与えてくれたり、部屋に彩りを与えてくれるアートブックに対する関心も高まっています。そこで、デジタルでは感じえない手触りや質感まで、こだわりが詰まっているアートブックを、Qetic編集部がピックアップして紹介します! 今回は『KUMO/雲』/Osamu Yokonami 他3冊をセレクト!
『KUMO/雲』/Osamu Yokonami
ファッション誌、広告等で活躍する日本人フォトグラファー・横浪修の作品集です。若さや集団性、匿名性を探求した作品が特徴的な写真家ですが、本作のテーマ「雲」にもその共通点が感じられます。
本作に収録されている作品は、館山、富士山、三浦、沼津など日本国内の各地で撮影されたそう。集団の類似性が、逆説的に均一でない個を色濃く表現しているようにも感じます。それと同時に、集団が帯びる類似性は社会での強い結び付きやエネルギーを持つことを視覚的に想起させます。作者ならではのテクスチャーはもちろん、美しい日本の風景とともに思いを馳せるのも、この本の楽しみ方の一つではないでしょうか。
INFORMATION
¥7,260(tax incl.)
245 x 300 mm
ハードカバー 52ページ
LIBRARYMAN
掲載協力・写真提供:twelvebooks
『MAMA』/Rita Ackermann
ハンガリー人アーティスト、リタ・アッカーマン(Rita Ackermann)の作品集です。本書ではこれまでに制作された「Mama」作品シリーズを紹介しており、作者のペインティング・ドローイングの軌跡を一覧することができます。大きく力強い作品からは、創造と破壊、抑圧に対する抵抗といったエネルギーを感じさせます。
また、本書には自身の詩も含め、作品とともにアーティストによるコメントが寄せられています。キュレーター、批評家であるジャンニ・ジェッツァー(Gianni Jetzer)によるエッセイや、映画監督ハーモニー・コリン(Harmony Korine)によるアッカーマンへのフェイク・インタビュー、スコット・グリフィン(Scott Griffin)による作者へのオマージュも掲載されており、様々な視点から本書を紐解くことができます。
Rita Ackermann: In the Studio
INFORMATION
¥7,700(tax incl.)
254 x 286 mm
ハードカバー 178ページ
HAUSER & WIRTH/WALTHER KÖNIG
掲載協力・写真提供:twelvebooks
『ICONS』/天野タケル
天野タケル初となる画集です。作者はPOPARTとクラシックな美術を融合した“NEW ART”という独自の作品を、国内外のフェアやギャラリーなどで発表しています。冨田ラボのアルバム『SUPERFINE』のジャケットも手がけており、目にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
作品は、宗教画や静物画などの伝統的な題材をモチーフに、簡略化された線と独特な色彩が絶妙に融合しています。鑑賞していると、自分の記憶の曖昧さや視覚的な情報要素とは何かを再考させます。その均衡を作り出すタッチや色合いなどを、手にとって感じてみてください。
INFORMATION
¥4,620(tax incl.)
257 × 257 mm
100ページ
SHIBUYA TSUTAYA
掲載協力・写真提供:SHIBUYA TSUTAYA
※実店舗・ECサイト、共に購入可能です。
『Steamy Buns(饅頭)』/Misaki Kawai
アーティスト・Misaki Kawai(河合美咲)が台湾のリトルプレスnos:booksと、2019年の台湾訪問時から一年半をかけて制作したというアートブックです。彼女は、絵画や立体物などといった作品の制作・国内外での展示や、「flying tiger copenhagen」や「IKEA」などコラボレーション商品を手掛けるなど多岐にわたる活躍を見せています。
アートブックという形ながら、二重らせんコイル綴じという立体的な面白さも本作の魅力です。ページをめくるごとに鮮やかに描かれた彼女らしい作品の数々は、見ているだけでポジティブな気持ちにさせてくれます。タイトル文字は特殊盛り上げ印刷が施されており、随所にあるこだわりをぜひ体感して欲しいです。
INFORMATION
¥12,800(tax incl.)
300 mm × 270 mm × 46 mm
98ページ
nos:books(2020年7月 台湾)
掲載協力・写真提供:ブックギャラリーポポタム/nos:books