Qetic編集部が気になるあの人の本棚から、オススメの一冊を紹介してもらうオリジナルコラム企画『アートブックノススメ』。これまでにも多くのアーティストやクリエイターが愛読書を紹介してくれました。
話題の文庫本から写真集、マンガに純文学まで……。本棚の写真と共に、アーティストやクリエイターのルーツやインスピレーションの源を垣間見れるような連載となっています。あなたの生活にひとさじの彩りを与えてくれる、そんな素敵な一冊に出会えるかも。
今回紹介していただくのは、Grime、Dubstep、Hiphopを軸に、多種多様なジャンルを巧みに操るDJのmiute。東京各所に名を轟かせながら、香港コミュニティラジオ(HKCR)へのmix提供など幅広く活躍する彼女が『西瓜糖の日々』/リチャード・ブローティガンをピックアップしてくれた。
また、miuteとMIYO(KEYTOTHECITY)がオーガナイズを務めるイベント<intruder>が1月27日(金)に下北沢SPREADで開催。ゲストにはグライムラッパー・Ralphの楽曲のプロデュースを務めるユニットDouble ClapperzからUKDや、千葉拠点のHIPHOPグループ東金B¥PASSやKEYTOTHECITYらが登場。
miute -『西瓜糖の日々』/リチャード・ブローティガン
コミューン的な場所、アイデス”iDEATH”と”忘れられた世界”。そして私たちと同じ言葉を話す虎たち。澄み渡っていて静かな西瓜糖の世界で暮らすひとたちの、平和・愛・暴力を描いたリチャード・ブローティガンの代表作です。
はじめてこの本を読んだ時は、あまりにも詩的で内容があまりよくわかりませんでした。しかし、最近行ったアイスランド旅行にこの本を持って行って読み返してみると、物語の内容、情景がすらすらとはいってきました。アイスランドの冬の美しくもさみしげな風景が、物語にでてくる”iDEATH”の情景に似ていたからかもしれません。
いくつもの詩が連なって物語になっているかのような、優しくて美しくも凶暴な一冊です。
『西瓜糖の日々』/リチャード・ブローティガンアートブックノススメ
POROFILE
miute
千葉出身。2020年に東間屋にてDJをスタート。
Grime、Dubstep、hiphopを軸にしたハードな選曲のなかに、ナチュラルな華やかさを感じさせるジャンルに囚われないスタイルでプレイ。
写真:Yugo Takayama
InstagramSouldCloudHKCR – ShioriyBradshaw w/ miute – 27/06/2022