ーーそういったシーンの中で、Elephant Gymはどのようなスタンスで活動していますか?

Tell 僕たちは、台湾南部の都市である高雄(たかお、カオシュン)に生まれ、その後台北の大学に行ったんだ。そこでElephant Gymは結成された。今年大学を卒業して兵役を終えたんだけど、高雄に戻って家族や故郷と共に生きていこうと思っている。ただ、高雄のインディー・ミュージックシーンの歴史はとても短いから、それを大きくしていこうと頑張っていこうとしているところだよ。また、ここから国外にも自分たちの音楽を広めていこうと考えているよ。


ーー音楽と通して、何かを表現をしようと心がけていることがありますか?

Tell 僕たちは、「音楽と日々の生活が対等であること」に重きを置いている。全ての楽器、生活の全てが、自分たちの気持ちを平等に、同じように表現できるようになってほしい。

ーーどういったモノにElephant Gymは影響を受けてきたのですか?

Tell toeは僕たちのロールモデルだ。僕たちメンバーはみんな、インストゥルメンタルのロックが好きだけど、僕らがよく言われるマスロックについては、全然知らなかった。toeを初めて聞いたときは、ぶっ飛んだよ。そして僕たちが進むべき道が見えた気がした。それ以外にも日本のバンドにはたくさん影響を受けているよ。東京事変、フィッシュマンズ、MONO、Spangle call Lilli Line、envyなどだね。

Spangle call Lilli line / azure (Official Music Video)

ーーElephant Gymの音楽における大きな要素の一つに、「バランス」があると感じています。インストだけど、とてもキャッチーな要素もあるし、ポップな要素もある。とはいえ、インストならではの、クールで緻密な楽曲構成も持ち合わせている。それに、ボーカルをフィーチャーする楽曲も少なくないけど、決して歌モノにはならない。絶妙なバランスでゲスト・ボーカルとバンドの曲が絡み合ってる。それは意識していることですか?

Tell 自分たちの音楽やサウンドに、特別な要素を見つけたいと考えているんだ。そのためには、全てのサウンドが話し始め、輝くようにアレンジをしているつもりなんだ。これはさっきも話したように、自分たちが重きを置いている「平等性」にも繋がることだと思う。

ーー最後に、バンド名なんだけど、象と体操?ですよね?これはどういったことで……?

Tell ははは! まずは、ドラムのTuがバンド名にスポーティーな要素を入れたいと言ったんだ。そこでベースのTifが「Chicken Gymnastics」というのを提案してきた(笑)。けれどガーリーすぎるし、速攻、他のメンバーから却下された(笑)。その数日後に、どこからかElephant Gymというのが自然と出てきて、決まったよ。

アジアン・インディー・ミュージックシーン 〜vol.5「台湾」with Tell Chang from “Elephant Gym” 〜 column160816_asian_2

Elephant Gym (大象體操) / 頭,身體Head&Body【Official Music Video】

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次号では、アーティストとは違った立場の人たちの声を合わせて、更に台湾のミュージックシーンについて、紹介していければと思う。

Artsit Profile

2012年結成、台湾・高雄出身のスリーピース・インストゥルメンタルバンド。日本や欧米のマスロックに影響を受けて洗練されていった、楽曲構成のセンスや高いテクニックを見せつける。そして同時に、愛嬌のある、親しみやすいメロディアスなベースラインと、それを優しくも感情的に包み込むギターとドラムのアンサンブルが、ピースフルなポップネスをも同居させる。その様は、台湾からの新世代インストゥルメンタルポップといえよう。

2014年秋に敢行した来日ツアー(東京、名古屋、大阪)では、卓越した演奏とパフォーマンスが高い評価を得て、一部公演がソールドアウト、用意したCDも各地で完売するなど大盛況のうちに終了した。2016年8月、満を持して〈BAKURETSU INTERNATIONAL / LIKE A FOOL RECORDS〉より1stフルアルバムを日本リリースし、恵比寿リキッドルームでの東京公演、および<SUMMER SONIC 2016>出演予定。

RELEASE INFORMATION

ANGLE 角度

アジアン・インディー・ミュージックシーン 〜vol.5「台湾」with Tell Chang from “Elephant Gym” 〜 column160816_asian_4
Now on sale!
ELEPHANT GYM(大象體操/エレファント ジム)

定価:¥2,100(+tax)
品番:BKRTI-002
レーベル:BAKURETSU INTERNATIONAL / LIKE A FOOL RECORDS

1. 序/Intro
2. 白日/Day Time
3. 遊戲/Games
4. 燈/Light
5. 堅固耐用的梯子/Strong Ladder
6. 日常的航道/Ordinary Route
7. 頭/Head
8. 身體/Body
9. 青蛙/Frog
10. 鳥鳴/Whistle
11. 天鵝/Swan

TOWER RECORDSで購入 FLAKE RECORDSで購入