2018年に結成し、下北沢BASEMENT BARを拠点にライブを行いクチコミで注目を集め、<BAYCAMP>といったフェスにも出演。2020年末、YouTubeにアップした“我愛你”のミュージックビデオが台湾・アメリカを発端に世界中で支持を集め500万再生に迫る勢いの中、2021年8月には映画『サマーフィルムにのって』の主題歌に抜擢。さらに中華圏のグラミー賞とも呼ばれる、台湾開催の音楽アワード<第12回金音創作獎>に日本からのアーティストとして唯一招聘されるなど、国内外問わず活躍の幅を広げるバンドCody・Lee(李)

2022年に入り、ラスベガス出身のラッパー兼プロデューサー・1nonlyによる“我愛你”を大々的にサンプリングした新曲“COME THRU(ft. Shady Moon & Ciscaux)”が現地でスマッシュヒットする一方、日本では3月に彼らにとって最大規模のワンマンライブが恵比寿LIQUIDROOMで開催されるなど、国内と海外がクロスオーバーする形で注目度が高まっている。

そんなCody・Lee(李)の魅力について、彼らの拠点とされるライブハウス・下北沢BASEMENT BARでブッキングを担当し、DJとしても活動している片山 翔太に語ってもらった。Cody・Lee(李)のバンドとしての歩みを最も見てきた彼だからこそわかる魅力を知っていただきたい。

コラム|ライブハウスのブッカーが語る、2022年ブレイク候補筆頭格 Cody・Lee(李)の魅力 music210118_codylee_01-1920x1280

2018年夏、僕は東高円寺のライブハウス「U.F.O. CLUB」、「二万電圧」の2会場と、その間にある定食屋を使った往来イベントにDJとして出演していた。

僕が出演した定食屋での共演者は2〜3組と少なく(イベント全体で20組強が出演していた)、イベント全体を見てもDJは僕だけだった。ちょうど入り口くらいにちょこんと設けられたブースがとても暑く、道行く参加者を眺めながら、イベントの趣旨に則りオススメの若手バンドを中心にゆったりと選曲していたことを覚えている。

そんな中、DJを眺めていてくれたのがCody・Lee(李)ギターボーカル・高橋響だった。

顔を合わせたのはそこが初めてだったけど、少し前からSNSでバンドの名前は目にしていて、同じ岩手県出身ということもあり、なんとなく気にしていた存在だった。参加者が行き交う中、3時間の持ち時間をもらっていた僕は興味が湧き、そこでもらったCDをさっそくヘッドフォンで聴いてみた。

いま思うと、本人の前で音源を聴いて感想を伝えるのが本当に苦手なのに、初めて会った人からもらったCDをよくその場で聴く気になったなと思う。

その音源をすっかり気に入ってしまい、イベントを主催している〈HOLIDAY! RECORDS〉の植野さんにも聴いてほしくて、彼がいるタイミングで“drizzle”をかけた。

これがCody・Lee(李)との出会いだった。

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それからブッキングを務める下北沢BASEMENTBARにも出演を重ね、バンドの音作りを手伝ったり、1st EPのリリースパーティーや、初の大阪遠征、フェスでの共演などたくさんの時間を一緒に過ごさせてもらった。

特にライブの最後によく演奏している“When I was cityboy”という曲が好きで、当時彼らが演奏していた曲のなかでは圧倒的に速いし、うるさいし、これまでのイメージとはかけ離れていたけど《BABY この街にも雪は降る 君は知らないだろう》という歌詞は間違いなくCody・Lee(李)のものだったし、メンバーの沸騰するような演奏にお客さんが両手を突き上げる光景はいつもロマンチックだった。

耳にすっと溶け込むメロディセンス、都会的で洗練されたポップスのなかに並存するいなたさやライブでの爆発力も大きな魅力だったが、フジファブリックやきのこ帝国など2000年代以降の日本の音楽へのリスペクトをこれだけ感じさせるバンドは他にいなかったので、その点にも惹かれていた。
自分が高校時代に抱いていた「東京で活動する大好きなバンドへの憧れ」や、そんな自分の姿を、彼らの楽曲の中に重ね合わせていたようにも思う。

だからこそ、敬愛するフジファブリックと同じステージに立った<BAYCAMP 2020>でのCody・Lee(李)のライブは忘れられないシーンの一つだ。
何度も繰り返し聴き、よく口ずさんでいた思い入れの深い曲“I’m sweet on you (BABY I LOVE YOU)”から始まり熱を帯びていったこの日のライブは、ステージが爆発するような喜びと大舞台で演奏をみることができた嬉しさが交錯して深い感動を覚えた。

Cody・Lee(李)- BAYCAMP2020(DigestMovie)

『生活のニュース』以降、コロナ禍においてもどんどん知名度を広げ、ロックバンドとして成熟していくCody・Lee(李)だが、ここ最近のリリースにも変わらず、楽曲の向こう側に岩手県花巻市の音楽少年・高橋響の姿が思い浮かぶ。歌詞や演奏から想起する情景はもちろん、楽曲自体が時間を超えて、音楽が大好きでひたすら聴いていた自分に、ひいてはそれに似たあらゆる人々に向けて届いているように感じている。

そんな彼らの楽曲が、誰かにとっての特別になることは必然だったのかもしれない。

これからも活躍を楽しみにしています。

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Qetic編集部がセレクトする
Cody・Lee(李)のイントロダクション・ソング

我愛你

2020年12月にリリースされた1stアルバム『生活のニュース』に収録。アルバムリリース前に公開されたMVが日本だけでなく海外でも反響を呼び、470万回再生(2022年1月時点)を超えるなど話題になった。
キャッチーで軽快なギターリフをベースに、町や都市の名前を連呼し思わず口ずさみたくなる歌詞、そしてMVのサムネイルからも伺えるオリエンタルな雰囲気がどこか癖になる中毒性のある楽曲で、 Cody・Lee(李)にとって飛躍のきっかけとなる1曲となった

Cody・Lee(李) – 我愛你

異星人と熱帯夜

2021年、新しい青春群像劇の傑作として話題になった映画『サマーフィルムにのって』の主題歌に抜擢。映画の為に書き下ろされたという本楽曲は、タイトルにもある“熱帯夜”に吹くそよ風のような爽やかなシンセサイザーとフルートの音色とメロディーが印象的。どこか「懐かしい」印象のあるメロディーの中に「」が混在する、Cody・Lee(李)の代表曲となった。MVには映画『サマーフィルムにのって』の主演を務めた伊藤万理華が出演したことも話題に。

Cody・Lee(李) – 異星人と熱帯夜

しろくならない

2021年のクリスマス・イブにリリースされた最新曲。力強いバンドサウンドに加えて、ストリングスやピアノの音が切なさを表現し、壮大な冬のバラードになっている。
歌詞も「死生観」に迫るような内容で、これまで身近な「生活」に寄り添うような印象のあったCody・Lee(李)にとって、新境地とも呼べる1曲。ライブハウスを飛び出し、ホール、ひいてはドームといった広いステージで演奏している姿が目に浮かぶ。

Cody・Lee(李) – しろくならない

片山翔太 がセレクトする
Cody・Lee(李)のベストソング

東京(2020)

イベントに出演してもらい始めた頃にライブで聴いて、これぞCody・Lee(李)といえるような、魅力に溢れた1曲だと感じました。
胸にすっと落ちるイントロや歌詞、《東京、東京》と繰り返す、耳に残るサビ、感情が噴き出るようなギターソロ。2番の《だってそうじゃん君の方が》という歌詞の2回目でギターが歌のメロディの上をなぞっていくところとか、切なさ爆発で最高ですよね。

Cody・Lee(李) -東京 (2020)

I’m sweet on you (BABY I LOVE YOU)

イントロからギター炸裂! 柔らかな風景を想起させる描写にポップセンス抜群の突き抜けるようなサビが相まって、春風のような気持ちよさを感じます。
この曲を聴いた時、Cody・Lee(李)がもっと大きなステージでたくさんの人たちにみてもらえるイメージが浮かびました。続けてリリースされた”桜町“とあわせて転機になった曲なのではないでしょうか。お聴き逃しなく。

Cody・Lee(李) – I’m sweet on you (BABY I LOVE YOU )

LOVE SONG

最近の楽曲からも1曲。熱のこもったボーカル、唸るようなギター、屋台骨をしっかり支えるベースとドラム。Cody・Lee(李)がロックバンドたる所以がこの1曲にギュっと詰まっています。
それでいて自分の、自分たちの、私たちの大切な人に向けられた極上のラブソング。楽曲面においても、そこに込められたメッセージについても、今のメンバーだから作れたのかなと感じています。

Cody・Lee(李) – LOVE SONG

Text:片山翔太(下北沢BASEMENT BAR)、Qetic編集部

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Cody・Lee(李)
メンバー:高橋響(Vo.,Gt.)/尾崎リノ(Vo.,Ag.)/力毅(Gt.)/ニシマケイ(Ba.)/原汰輝(Dr.)
2018年、大学の友人同士で結成。下北沢BASEMENT BARを拠点にライブを行いロックファンの口コミからジワジワと注目を集め、2019年からはロックフェス「BAYCAMP」にも出演するなど活動の幅を一気に広げる。

2020年、ソロシンガーソングライターとしても活躍する尾崎リノが正式加入し、自主レーベル「sakuramachi records」立ち上げ。12月に初の全国流通盤としてリリースしたアルバム「生活のニュース」がTOWER RECORDS“タワレコメン”に選出され、CDショップ大賞の東北ブロック賞を受賞。リードトラック「我愛你」ミュージックビデオをきっかけにアメリカをはじめ海外からも高い評価を得ることになる。

2021年に入り、SpotifyバイラルチャートTOP10入りするなどバンドとしての勢いが増す中で開催された東名阪ツアーには、規定枚数をはるかに上回るチケット応募が殺到。ツアーファイナルでは、これまでサポートベーシストとしてバンドを支えてきたニシマケイの正式加入が発表され現在の体制に。8月には「異星人と熱帯夜」が、映画「サマーフィルムにのって」(監督:松本壮史/主演:伊藤万理華)の主題歌に抜擢された。2022年3月、恵比寿LIQUIDROOMで自身最大規模となるワンマンライブを予定。

メンバー5人の強い個性が奏でるバンドサウンドで、聴く者の心に生活の風景を描く、ロックシーンからのブレイク候補筆頭格。

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EVENT INFORMATION

Cody・Lee(李) IN LIQUIDROOM ~2018.08.20-2022.03.14~

2022.03.14(月)
恵比寿LIQUIDROOM
OPEN/START:
18:00/19:00
TICKET:
¥3,500(ドリンク代別)

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