いよいよ開催が近づいてきた<FUJI ROCK FESTIVAL’25(以下、フジロック)>。国内外から集結する豊富なラインナップに胸が高鳴る中、今回注目したいのが「踊れるフェス」としてのもうひとつの顔。深夜でも鳴り止むことなく極上のアクトが登場する楽園のようなシチュエーションこそ、他ではなかなか体験することのできないフジロックならではの醍醐味なのです。今回は、<フジロック>を踊り抜きたい方こそチェックしておきたいDJ&ダンスアクトを特集。夜が更けても終わらない、そんな苗場の楽しみ方をご紹介します。
フレッド・アゲイン(Fred again..)【7/25(金) GREEN STAGE出演】
まず紹介したいのは初日のヘッドライナーを務めるフレッド・アゲイン(Fred Again..)。20代からエド・シーランやリタ・オラといったUKのトップスターたちとプロデューサーとして協働し、その才能をエレクトロニカ界隈以外にも知らしめると、パンデミック以降はスクリレックスと共にプロデュースした「Rumble」の大ヒットやブライアン・イーノとの共演などにより、自らも一人のアーティストとしてスターダムを駆け上っています。パッドによる正確無比なフィンガードラムやソウル/ゴスペルとユーフォリックなアンビエントを重ね合わせるなど、ライブでの迫力は抜群。今や世界中のスタジアムやアリーナで大規模な公演を成功させている、最も旬なプロデューサーの一人です。
実は現在のスタイルの基になったのは、キャリア駆け出しの時期にレッドブル・ミュージック・アカデミーで訪れた日本でのライブや人との出会いだったというフレッド・アゲイン。当時からはおよそ想像もできないほど巨大な存在になった彼、森に囲まれた夜のGREEN STAGEが即興のダンスフロアへと変貌を遂げる様を体感しましょう。
フォー・テット(Four Tet)【7/26(土) WHITE STAGE出演】
フレッド・アゲインと合わせて紹介したいのはフォー・テット。瑞々しいエレクトロニカ・サウンドを出発点に20年以上のキャリアを共に築き上げてきた名プロデューサー/DJです。近年は前述したフレッド・アゲインとスクリレックスとのトリオでシーンを席巻。<コーチェラ2023>でフランク・オーシャンの代演として大トリを務め、NYのタイムズ・スクエアで超満員の観客を集めたパーティーを開催するなど、その動きは神出鬼没。既にトップアーティストとして名声を得ていた彼の新境地を垣間見ることができました。
ストイックな四つ打ちからとろけるようなサイケデリック~フォークトロニカまで自在に操るフォー・テット。トリオでの活動の中ではEDMに接近したインパクトのあるプレイを見せてくれました。そのレンジの広さはキャリア屈指、まさに今見るべきアクトの一人です。<フジロック’25>には7/26(土)のWHITE STAGEに登場、極上の音響と共に身を委ねましょう。
バリー・キャント・スウィム(Barry Can’t Swim)【7/26(土) WHITE STAGE出演】
フレッド・アゲイン、フォー・テットとUKダンス勢の俊英たちが集結する今年の<フジロック>。中でもエディンバラ出身のバリー・キャント・スウィムことジョシュア・マニーは、アンダーグラウンドのハウスシーンから飛び出してきた目下大注目のプロデューサー/DJです。品のあるサンプリング感覚とアコースティックの質感を残したスマートなサウンドは幅広い年代から支持され、英国ではチケットが争奪戦に。2023年に〈Ninja Tune〉より発表したデビューアルバム『When Will We Land?』はチャーリーXCXやベス・ギボンズと共にマーキュリー・プライズにノミネート、超大型新人として破竹の快進撃を続けています。
<フジロック>開催の前々週となる7月11日(金)に最新作『Loner』の発表を予定しており、まさに最高のタイミングでの来日となったバリー・キャント・スウィム。出演するのは7/26(土)のWHITE STAGE。トリにフォー・テットを控えたUKダンスの新星がどのようなプレイを魅せるのか、ぜひ見届けましょう。
ジョイ・アノニマス(Joy(Anonymous))【7/25(金) PLANET GROOVE(RED MARQUEE)出演】
UKダンス勢のニューカマーからもう一組、懐かしくも新しいディスコ~ビックビートで躍らせる気鋭のデュオ=ジョイ・アノニマスも待望の来日を果たします。彼らはパンデミック中に「ミーティング」と呼ばれる野外パーティーを主催、テムズ川沿いにクラブともレイヴとも異なる空間を作り出し、オーディエンスと独特のコミュニケーションを図りました。本イベントでの試みは広く注目を集め、ジャングルやエズラ・コレクティブといった英国の確かな実力を持つアクトとも共演を果たすなど、着実な支持を得ています。
<フジロック>では初日のヘッドライナーを務めるフレッド・アゲインとも親交が深く、ヒットチューン「place to be」をはじめ多数のコラボ作を発表しています。出演は深夜のRED MARQUEEとなりますが、その直前に行われるフレッド・アゲインのステージへの飛び入りにもぜひ期待したいところ……! その開放的なフィーリングをぜひ全身で浴びましょう。
HIROKO YAMAMURA【7/25(金) PLANET GROOVE(RED MARQUEE)出演】
ジョイ・アノニマスが登場する7/25(金)深夜のRED MARQUEE、通称「PLANET GROOVE」。フジロックへ集った朝まで踊り明かしたい遊び人のためのこの空間で、共に熱狂を生み出すのが米国を拠点に活動するDJのHIROKO YAMAMURAです。シカゴ流のDJスタイルでハード・テクノを淡々とドロップする姿は徐々に注目を集め、今や世界中のクラブがウィークエンドに呼びたがる売れっ子に。BOILER ROOMやHÖRといった著名チャンネルにも出演し、耳の肥えたクラバーを唸らせるなど、その存在は半ば神格化の域にまで差し掛かっている。
昨年の<フジロック>では同じくRED MARQUEEの深夜に出演したほか、急遽キャンセルとなったレミ・ウルフの代演としてWHITE STAGEの夕方帯を担ったHIROKO YAMAMURA。今年も百戦錬磨のテクニックとアイデアで間違いなく楽しませてくれるでしょう、少しでも気になる方は金曜ナイト券で苗場に集合!
TYO GQOM【7/26(土) GAN-BAN SQUARE出演】
深夜帯の<フジロック>、クラバーならRED MARQUEEの外に広がるホスピタリティエリア「OASIS」の一角に表れるダンスフロア「GAN-BAN SQUARE」にも足を運びたいところ。国内外のエッジィなアクトが入れ替わり立ち代わり登場する本エリア、ここでピックアップしたいのは7/26(土)に出演予定の東京を拠点に活動するDJクルー/コレクティブ・TYO GQOMです。南アフリカ発のハウスミュージックであるGqomをその名に冠し、アマピアノ~アフロハウスに至るまで活況を呈している同地のシーンをパッショネイトに紹介しています。
広い視座でダンスミュージカルの現在を的確に掴み、影響の輪をジワジワと広げている彼ら。出演アーティスト/観客共にグローバルな<フジロック>でどのようなビートを響かせてくれるのか。南アフリカの音楽ラバーは前日に出演するエッカ・ヴァンダルと共に注目を!
サウス・カーニバル(SOUTH CARNIVAL)【7/25(金) CRYSTAL PALACE TENT(THE PALACE OF WONDER)出演】
最後に紹介したいのは<フジロック>会場で最もカオスなスポットと言っても過言ではないCRYSTAL PALACE TENT。入場ゲート手前のフリーエリアに広がるTHE PALACE OF WONDERの一角に位置する、世にも美しい移動式テントの内部で、朝まで名うてのDJ/バンドが続々と熱狂を生み出します。ジャンルもレゲエ/スカ/クンビア/ラテングルーヴ……とまさに多種多様。グローバルな音楽フェスティバルとしての顔を持つ<フジロック>の幅の広さを体現するような場所です。
特に気になるのは韓国・済州島出身の7人組スカバンド、サウス・カーニバル。東アジアを代表するリゾート地として名高い済州島の温暖なムードをジャマイカの熱気と結びつけ、世界各国のラテンフェスティバルを沸かせている実力派です。済州島の方言を取り入れた朗らかなトーンも魅力、そのソフトなグルーヴで根まで踊りつくしましょう。
Text by Ikkei Kazama
INFORMATION
FUJI ROCK WEEK 2025 at 東京ミッドタウン八重洲
6月13日(金)~27日(金)、東京ミッドタウン八重洲で FUJI ROCK WEEKが開催中!
フジロックにゆかりの深いアーティストによるフリーライブやDJイベント、ワークショップなど、八重洲で一足先にフジロックを体験できる。
フジロック・オフィシャルショップ「GANBAN/岩盤」が、イベント期間中限定でPOPUPストアを出店。オフィシャルグッズやチケットの対面販売を実施。フジロックについてわからないことや不安なことなど、スタッフの方に相談しながら購入が可能。
また6/21(土) 22(日) にはフジロック参加に向けたオフィシャルツアーに関する相談会を実施。お住まいの場所や、参加希望日などからぴったりなツアープランが相談できるので是非チェック!
FUJI ROCK WEEK 2025 at 東京ミッドタウン八重洲
FUJI ROCK FESTIVAL’25
2025.7.25(金)26(土)27(日)
新潟県・湯沢町 苗場スキー場
FUJI ROCK FESTIVAL ’25オフィシャルグッズ