NYを早朝に出発して、6時間のフライトでロサンゼルス(以下、LA)に。時差も3時間あり、つくづくアメリカの広大さを実感。LAX空港からは、もう5年のお付き合いになる韓国人タクシードライバーのJooにフルサポートして頂き、イエローキャブチャーターの旅がスタート。格安の価格でLAに来る際は、空港から全てのアポまでを終日サポートしてくれる頼もしい味方です。今回はLAでも大人気、最近彼が買い替えたエコカーのプリウスで! これはかなり珍しい光景かもしれません。
今回のLAもNY同様にHAT&CAPコレクションMANIERAの15SSコレクションのセールスミーティングが大きな目的です。早速、長い間取り扱いをして頂いているBeverly Center内にあるTRAFFICへ。オーナーのサラさんは旦那さんのマイケルとともにセレクトショップをここLAで長く経営。自らショップにも立ち、打ち合せの間も多くのローカルの顧客の方と談笑する場面も。KENZOやMcQUEENなど最近のトレンドブランドとともに、レザーアイテムや小物類など充実の品揃えで圧巻のショップでした。MANIERAの15SSは今までで一番気に入って頂け、展開の幅も広がり良い商談が出来ました。
続いては、先日NYでも良い打ち合せが出来たACE HOTEL LAです。LAのダウンタウンにある、歴史的な外観とエントランスがモダンなホテル。おしゃれなショップが少ないダウンタウンで最も注目されるスポットでした。今回はアコースティックギターのコラボ(何とあの、Martin社と!)が大注目です。気さくで親切なスタッフはNY同様に、飾ることなくお洒落でした。NYの統括バイヤーのアリエルのオーダーで、ここLAのショップでもMANIERAの展開が可能になるかも!
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続いてここからは音楽の話題をいくつか。まずはSanta Monica BlvdにあるVintage Vinylのショップ、RECORD SURPLUS。圧倒的な中古Vinylの在庫とプラスCDも含めて、ロックを中心に幅広いジャンルを取り扱い、リーズナブルな価格で大変良いショップでした。Vinylだけで50,000枚以上の在庫だそうです。ぜひおすすめ!
住所:12436 Santa Monica Blvd, Los Angeles, CA
さて次は、ベン・ハーパーの育ての親として、マネージメント及びプロデュースを長きに渡って行い、ジャック・ジョンソンのデビューアルバル『Brushfire Fairytales』や、大ヒットアルバム『Sleep Through The Static』のプロデューサーでも知られるLA郊外在住のフランス人、JPプルニエ氏です。10年来の付き合いで、今回を除いてLAに来る際は必ず彼の自宅に泊まらせて貰っている間柄。彼は、生まれ故郷のフランス、ブルターニュ生産のニット、カットソーを中心にしたクロージングブランド、Feal morを持っています。日本でのディレクターをかなりの年数させてもらった事や、多くのミュージシャンやライブにも連れて行ってもらったりと、「音楽に関する全てを彼に教えてもらった。」と言っても過言ではないくらい強く影響を与えてくれた人物です。今回はある大きなプロジェクトのお願いのために会いに来てくれました。彼のおすすめでN.フェアファックス通りに面した小さなイスラエル料理のお店、PITAでディナーを。チキンをメインにビーンズのクリームや野菜などを、イスラエルのナンにつけて頂きました。クリーミーで絶品!
JPプルニエ氏
続いては、おそらくこのようなオフィシャルのWEB(及び雑誌等)など全てのメディアに初めて登場する人物です。彼の名前はマックス・バーネット(通称マックス)。‘80年代から’90年代に大活躍した幻のギタービルダー(ギター製作者)です。 ‘80年代後半に元ガンズ・アンド・ローゼスのギタリストで、マイケル・ジャクソン等との競演でも有名なスラッシュがマックス氏製作のギターを購入、使用したところから彼の歴史は始まります。そのギターが話題を呼び多くのプロミュージシャンから注文が殺到し大きな話題になりましたが、あまりにも依頼が多くなってしまった事、さらに体調を崩した事もあり、LAの工房を閉めてアリゾナに移り住み表舞台から姿を消す事となりました。それが’90年代の終わりで、そこからは彼の消息も、また彼の製作する新しいギターもまったく見る事がなくなりました。そして2012年、偶然、LAでギター関連の仕事をする私の知人から「マックスが再始動する」という話しを聞き、昨年2013年にその知人を介してマックス本人とメールのやりとりをするようになりました。そして彼が2012年にスラッシュのために‘80年代とまったく同じ木材を使用したギターをわずか5本だけ製作したのですが、その1本を私が幸運にも今年購入する事が出来ました。
そして今回、私のLA滞在の最終日の夜、今も住むアリゾナから500マイルの道のりを車で私に会いにやって来てくれたのです。会える事も奇跡ながらさらに今回、彼がハンドメイドで製作したギターのマイク(ピックアップ)を私のために持って来て頂く事が出来ました。かなりマニアックな話題ではありますが、ギター好きの方はお分かり頂けると思います。これは本当に“奇跡”に近い出来事です。今まで私が彼にずっと聞きたかった事全てに答えてくれ、興味深いエピソードなどもたくさん本人から聞く事が出来ました。マックス本人からお聞きした、皆さんもご存知のミュージシャンで彼のギターを所有しているのは、U2、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、レニー・クラヴィッツ, ヴァン・ヘイレン、メタリカなどなど早々たる方々です。Thank you, MAX!
マックス・バーネット
さて次にLAローカルの友人、ロビンとともに彼女の住むヴェニスエリアのABBOT KINNEY通りに。彼女は日系4世でLA生まれのLA育ちながら、パリに拠点を置いていますクリエイティブ・ディレクションを行うフランス人ユニットのオフィスでの仕事経験の後に、LAに戻り博報堂LAに勤務後に今年よりフリーランスでクリエイティブ・ディレクションの仕事をこなす女性。
有名な海岸沿いのエリアながら、ここ最近多くの新しいショップなどもオープンし、活気あるエリアという事でHAT&CAPコレクション・MANIERAのリサーチのために見て回りました。そんな中で8年前にオープンし、ALDENやFILESONなど小物雑貨のセレクトも豊富なショップ・THE STRONGHOLDへ。MANIERAのHATとも大変相性のよい小物も多かったためにその場でプレゼンを行いました。結果が楽しみです!
そしてヴェニス地区のマリナ・デル・レイ近くに流れる運河やビーチなどの美しさにも触れ、大変良いリサーチになりました。Thank you, ROBIN!!(写真ではしっかり”MANIERA”ハットかぶってくれています!)
というわけで3泊の短い滞在ながら様々な人々との出会いや再会でとても充実のLA滞在になりました。天気が良すぎて30度超えの猛暑の毎日でした。そしてなぜかまた私は再度ヨーロッパに戻ります!
著者プロフィール
橋爪 信之
伝説のマンチェスターのレコードレーベル〈FACTORY RECORD〉全盛期、ロンドン在住時にトニー・ウィルソンとの仕事を通じてUKロックに強い刺激を受ける。その後、イタリアのミラノ、フィレンツェにてファッションのバイイングオフィスを立ち上げ、イタリアのみならず欧米のファッションに深く関わり帰国。その後、パリ〜TOKYOでのファッションディレクションの仕事を3年間経験後帰国。そして国内の様々ブランドのディレクションワークをこなした後、2014年3月より”general design inc”入社。HAT&CAPコレクション“MANIERA”のoverseas業務、及びコンサルワークも継続。