寒料峭の砌、寒梅の散り際春美しい季節となりました。みなさまに於かれましては益々のご清栄であられること心よりお慶び申し上げます。

さて、3回に分けて、「花見に捧げるレシピ」をご紹介致します。

何故、この様に3回に分けてレシピをご紹介するのかと言うと、花見は平安期の国風文化の開花以降、現在に至るまで、身分の貴賎を問わず、それぞれが属するコミュニティで、権威を示す為や、親睦を深める為など、様々な理由で重要な儀式(セレモニー)だからです。

重ねて、その儀式の中核を担うのは、桜の下で共に美味美酒を味わい宴の時間を共有することです。

宴の最上のものは、全てを自らで仕込んだものをお出しすることですが、流石に酒造はできませんので、日本で販売されているポピュラーなお酒(ビール、ワイン、日本酒)に合わせたレシピをご紹介致します。

また、今回この様な趣向でレシピを組むにあたり、それぞれの酒類の特徴に合わせた条件とは別に、花見の料理として一貫した条件を設けることと致します。

下記まとめましたので、ご参照下さい。

一つ、食べる場所が野外であると言う性質上、出来立てをお出しできないので、時間を置いても味が劣化せず衛生的観点から傷みにくいもの。

一つ、持ち運びが容易であること。重ねて、電車や、バスなど公共の交通機関を利用して運搬することを視野に入れ、臭いや汁が漏れないこと。

一つ、環境に配慮し、食後の片付けが容易であること。また、処分に困るようなゴミが出ないこと。

一つ、花見の料理であることを第一義とし、ただのアウトドアクッキング、ピクニック料理にならない様にすること。