花冷えの砌、沈丁花の香りが春の訪れを感じる候、みなさまに於かれましてはますますのご清栄のこと、お慶び申し上げます。
さて、今回は「花見に捧げるレシピ」の第二弾と致しまして、ワインに合わせたものをご紹介させて頂きます。
一言にワインと申しましても、赤、白、ロゼの違い、スパークリング、貴腐、ポート、フォーティファイドなど様々なものがございます。
ビールの時もそうでしたが、ワインもそれぞれの特徴があり、普遍的に合う料理は作れません。
そこで、今回は花見の一品ということで、持ち運びができ、保存が効くという意味から、フランス料理の保存食でもあるシャルキュトリー(加工肉)からヒントを得て、赤ワインと白ワインに合うものをそれぞれ考えてみました。
赤ワインには、赤ワインの味に負けない強い味わいと食べごたえから、ローストビーフを選びました。
また、ワインに合わせますので、グレイビーソースではなく、ワインと同様に、ぶどうを樽で熟成させたバルサミコ酢を使ったソースにしてみました。
白ワインには、白ワインのスッキリした味と合わさってより複雑な味わいとなる様に、複雑な風味を持ちつつも白ワインを殺さない様なものという意味で、帆立のコンフィ(オイル煮)にジェノベーゼソースをあわせました。
赤ワインはワインと牛肉の二重奏を、白ワインは白ワインと様々な食材のオーケストレーションをそれぞれお楽しみ下さい。
下記にレシピをまとめたので、ご参照下さい。
花見に捧げる料理②:ローストビーフ
材料
牛もも肉…300g
岩塩…適量
黒胡椒…適量
牛脂…適量(なければ、サラダ油などでも可)
醤油…200cc
赤ワイン…100cc
玉ねぎ…1玉
ローリエ…3枚(大きめのもの)
にんにく…1片
ライム…1/6切(お好みでレモンでも可)
バルサミコ酢…100cc
バター…50g
砂糖…50g
塩…適量
作り方
①.牛もも肉に岩塩、黒胡椒を刷り込み、牛脂をひいたフライパンで表面に焼きを入れる。
②.170度に加熱したオーブンに①を入れ、15〜20分焼き、火を止め10分ほど蒸らす。
③.ジップロックなどの保存袋で醤油、赤ワインを合わせ、ローリエ、すりおろした玉ねぎ、にんにくを、加えライムを絞る。
④.②に③を入れ、1〜3晩漬け込む。
⑤.フライパンでバルサミコ酢、バター、砂糖を入れ弱火でとろみが付くまで煮込み、塩で味を整える
⑥.④を薄くスライスし、⑤をかけて完成。
※バルサミコソースは市販のものでも美味しく頂けますが、砂糖をジャムにしてみたりお好みのアレンジを加えてオリジナルのバルサミコソースを作るのも楽しいです。
花見に捧げる料理②:ジェノベーゼソースの帆立のリエット
材料
帆立の貝柱…200g
バジル…30g(5束ほど)
松の実…30g
にんにく…1片
ペコリーノチーズ(パルメザンチーズで代用可)
オリーブオイル…100cc
塩…適量
黒胡椒…適量
作り方
①.帆立の貝柱の水気を良くきり、オリーブオイルで15〜20分煮込む。
②.松の実を弱火で炒り水分を抜く。(松の実は非常に焦げやすいので、よくかき混ぜながら)
③.バジルを洗い良く水を切り刻む。(水分が残っているとソースが傷みやすくなるので、しっかり水気を切る)
④.②、③、にんにく、ペコリーノチーズ、オリーブオイル、塩、黒胡椒をフードプロセッサーに入れペースト状になるまで回す。(フードプロセッサーがなければ、すり鉢で代用可)
⑤.①に④をかけて完成。
※このレシピの最大の敵は水気です。ヒステリックなくらい水気を切りましょう。
岡村飛龍