日本の音楽シーンにおいて知る人ぞ知る男、カトマン氏のコラム連載がスタート。コラムタイトルは『KATOMAN50』。90年代に音楽関係の仕事をはじめ、海外アーティストとのつながりを深めるなか、日本でのライブ誘致や自主インディ音楽レーベル〈Dotlinecircle〉を立ち上げリリースをサポートするなど、様々なアーティストの日本進出に貢献してきた。現在は、海外のアーティストが来日時に立ち寄る秘密基地として知られるBar「Beat Cafe」を運営している。

カトマン氏は90年代からその目利きの速さで一目おかれてきた。今回、この「KATOMAN50」のコラム連載では、テーマごとにカトマン視点に落としたプレイリストを提供してもらう。自宅で過ごす時間が増えた今、ぜひカトマン氏の選曲で楽しんでみて欲しい。

今回、プレイリストを紹介する前に、カトマンを知らぬ人に向けて彼にメールインタビューをしてみた。イントロダクション的な要素になっているので是非チェックを!

━━KATOMANさんについて、まずは自己紹介をお願いします。音楽シーンで今までどのような活動をされてきたのでしょうか?

90年代初頭からラジオ番組制作、音楽ライター、ディストリビューター、レコード屋などなど音楽を伝える仕事をしてきた中で、元々、自分が手書きでつくってたジンやニュースペーパーでつかってた名前だった“Dotlinecircle”として音楽レーベル、海外アーチスト招聘、イベント制作を90年代後半から始めたり、さらに日本のバンドのマネージメントを手掛けたりしながら渋谷にあるビートカフェで働き始めたりして今に至る感じですね。

━━KATOMANさんは海外のさまざまなアーティストと交流がありますが、その始まりはなんだったのでしょうか?

大学在学中はパンク、ハードコア、オルタナティブに分類されるようなバンドのライブに通いまくっでたんですけど、FM東京のカレッジチャート番組の制作に関わるようになってから海外のアーチスト、招聘プロモーターやレーベルの人達とさらに直接接することが増えてきましたね。

━━常にどのようなアーティストに注目していて、現在、とくに親交のあるアーティストは?

昔から聴かず嫌いとかほとんどなくてどんなジャンルでも、うわーヤバいって自分の直感に訴えかける新しいアーティストに惹かれます。

親交があるアーチストはホントたくさんいるのでなんともいえないですけど、Helmet時代から親交があるJohn StanierがいるBattlesに関しては彼らがきちんとバンドじゃない頃、2003年から関わってるし彼らにとって初めてのツアーを自分が手掛けたのでかなり特別ですね。

━━来日アーティストが集うBarとして知る人ぞ知る名店「Beat Cafe」ですが、お店はいつ頃、立上げたのでしょうか?またBarをはじめるキッカケは?

Beatcafeは、Blue Tonic、The Thrill、ホフディラン、今はTh eRockersのドラムやってるゲンショウさんが2006年に始めたんですけど自分は最初から関わって今のような店のテイストになってきた感じですね。

━━Barという「場」をやり続ける、その想いは?

14年もの間、関わってきたお店だし、最初から創り上げてきたお店なのでBeatcafeって「場」には特別な思い入れやこだわりがあります。

世界中からこの店を探したりしてくれたり、自分を訪ねて店に来てくれるとか本当に嬉しい事です。これがBar以外の違う「場」だったら今まで店で起こった様々な出来事は体験できてないと思ってます。だからこそ今後も続けていきたいですね。

━━今年50歳になったKATOMANさん。これからどのような活動をしていきたい?

今までと同様、“今”の楽しさや喜びを積み上げながら歳を重ねていきたいです。

あとこのタイミングで、コラボビールを作ったんです。『katoman beer』は長野のクラフトビール・ブリュワリーのAJBがブリュワーで、渋谷のビアバー「ミッケラー東京(Mikkeller Tokyo)」が間に入ってくれて作った“Katoman x MIKKELLER x AJB”のコラボレーションで梅を使ったサワービール(alc 3.5%)です。Parquet CourtsのギターAndrew Savageがラベルのアートワークやってくれました。

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━━Qeticにてコラム連載。KATOMANさんセレクトのプレイリスト企画としてまずはスタート致します。こういったプレイリストからどのようなメッセージを発信したいと考えていますか?

昔から音楽って基本、聴く人が誰の干渉もなく自由に楽しめるものでこうしなくてはいけないっていうようなルールがあるものではないと思ってます。
こういった企画を“いま”やりたいなとか、いままで自分のためにつくっていたプレイリストを“いま”パブリックに公開にしたいって今強烈に思ってるんですよね。

世界中の人達が今まで普通にできたことが普通にできなくなってる今現在の状況下でささやかな楽しみ、喜びを提供できればとは思ってます。

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記念すべき初回のプレイリストテーマは、海外の友達が喜ぶ日本の音楽

Japanese Music Only Playlist “Stay Safe,Miss You All”

 

今回のプレイリストについて

海外の人達が日本の音楽を知りたい事はずっと知ってるし日本の人達より詳しい人も多いので世界中コロナショックで家から出られない今、普通に出来た事が普通じゃなくなった今、あらためて自分の確認作業も含めて日本の曲のプレイリストをシェアしたいなと思いました。

今まで様々なプレイリストをほぼ毎日のように作るのが自分の生活の日課になってて、ただそれらを大事な友達にシェアしたりはしてたけどパブリックで公開したいってあまり思った事なかったんですね。

今回は最初なので日本の音楽で特に海外の友達の喜ぶ顔が目に浮かぶ曲をセレクトしました。山下達郎関連はSpotifyにないのでそこが少し残念だったけど、わかる人がバックグラウンドがわかるとニヤニヤできる曲満載です。

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@fourminitestomidnight

SHOP INFORMATION

Beat Cafe

東京都渋谷区道玄坂2-13-5ハーベストビル地下1階
20:00〜26:00 不定休

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