小ミミ そのとき(98年頃)が、弘大のインディーシーンが一番熱い時代だった。「クライング・ナット」のメンバーがあそこのお店にいる! ドコドコ? みたいな雰囲気。
大ミミ その韓国のインディー時代が始まった時に、私たちもインディーアーティストの追っかけみたいなことをしてて(笑) 当時の事を考えるとこうやって自分達がミュージシャンになるなんて、想像もつかなかった。
––––当時はいちファンで、今は逆にミュージシャンとして活動をしていらっしゃいますが、あらためて感情的に思うこところは?
小ミミ そういう感情はファーストアルバムをリリースした時が大きかったと思う。
大ミミ 特に1stアルバム『I’m Sorry… But It Will Be Legend(原題 미안하지만… 이건 전설이 될 거야)』では、「キム・チャンワン」先輩や「クライング・ナット」などビッグアーティスト達と共演したアルバムだったから、光栄だったしなによりも感動的だった。私たちがこのような方々と一緒にアルバムを作るなんて!っていう。その1stアルバムがあったからこそいろいろ成長できて、今回2ndアルバムも作れたんだと思う。
小ミミ 当時のプロデューサー「長谷川陽平」さんにも多くの事を学んだし。
大ミミ そうそう、そのとき私たちは韓国60年代の音楽にすごくハマってて、長谷川さんに色々教えてもらった。1stアルバムを出した時に「ミミシスターズ」としての基本的な音楽の色とか、視野が決まった感じがしたね。
––––さきほど話にでましたが、先月3年ぶりにニューアルバム『あぁ、人違い(原題:어머, 사람 잘못 보셨어요)』が発売されましたね。ミミシスターズとして、どんな思いがこもっているのでしょうか?
小ミミ アルバム全体と通して“愛”が題材になってます。べつに“愛”について書こうと決めてたわけでなく、お互い歌詞を書いてみたら、全部“愛”についての曲だったという感じで。でも人って恋愛をする時に、一番素の姿になるじゃない? 私たちは今までカツラを付けて、濃い口紅を塗って完璧な衣装を着てやって来たけど、今回はそこまで着飾らずに歌詞を通してありのままの姿を見せた。そうしてみたら私たちも、いままで以上に自然なスタイルで表現ができるようになったと思う。今まではキャラクター上、ファン達と話をしたくてもしゃべる事ができなかったし。
大ミミ 今までは無言修行をしていた気分だったね。コーラスをしてた時は言葉を一言も発しないキャラだったから誤解が生じたこともあったし。大物ミュージシャンに起こられた事も(笑)。もちろんそのキャラクター設定は自分たちで設定したもので、それはそれで面白くてよかった。けれどもうそろそろ実際の姿に近いミミシスターズを見せたいっていう気持ちになって。
––––話は変わりますがミミシスターズとして影響を受けてているアーティストや、尊敬するアーティストはいらっしゃいますか?
大ミミ たくさんいますが、近い所で影響を受けたアーティストは大西ユカリさんですね。すごくパワーをもらいました。ユカリさんがずっと長い間音楽をしている姿、それが勇気になる。大変なときはいつも大西ユカリさんの事を思い出します。
小ミミ 韓国では女性ミュージシャンの寿命が短いんです。もしくはキム・チュジャ先輩みたいに40年ぶりにリリースをしたりとか。なので大西ユカリさんみたいにずっとライブ活動をして、アルバムも定期的にリリースしている事はすごい事。
大ミミ 音楽人として、いつも真剣に生きていくという事がこういうことなんだって目の前で確認できた。それまで私たちは心のどこかで、何かあったら音楽から逃げることもできるって。そういう考えがどこかにあった。でもユカリさんと出会い彼女の音楽を聴いてからは私たちも真剣に向き合おうって気持ちになった。
小ミミ もちろん「キム・シスターズ」や、「バニーガールズ」、「キム・ジョンミン」、「キム・チュジャ」など、韓国の6、70年代のシスターズにも影響を受けてますね。
––––それでは最後の質問になります。今後の活動予定、そして「ミミシスターズ」としてやりたい事などがあれば教えてください。
大ミミ 今月からいろんなライブ公演が始まります。来月8月には<ペンタポートロックフェスティバル>にも出演します。あとはまだ決まっていませんが、日本で大西さんと一緒に公演もしたいですね。小ミミは日本語もできますし、日本語の歌詞も作りますので日本進出のための準備はバッチリです。是非呼んでください(笑)。あと夢ですが、60〜70歳代のおばあさんになって杖を楽器にして<グラストン>に出演すること。もちろん今も出演したいけど、その年でも出てみたいですね。
Release Information
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著者プロフィール
西小野康子 韓国ライフを絶賛エンジョイ中のフリーライター。フェイスブックページ「コリャーエンタメ通信」にて韓国のホットなエンタメ情報を気ままに発信中。 |