ロックンロールな飲み物って何だろう。やはりバーボンとか、そのあたりだろうか。同じ蒸留酒でもテキーラはロックンロールとはまたちがう気がする。僕はテキーラからはスカのグルーヴを感じる。飲み物から音楽が思い起こされる。共感覚的なイメージ。アルコール以外だとどうだろう。カプチーノはロックンロールじゃないよなあ、とある人が歌っていたけれど。それじゃあカフェラテならばロックンロールなのかというと、そういう問題でもない気がする。スチームミルクか、フォームミルクかという違いがあるとはいえ、その根底がエスプレッソである以上、基本的には同類のものであろう。椅子があり、そこに自分が座り、目の前のテーブルに、カプチーノ。向かい側の椅子に座るのはだれか。片想いの相手かもしれないし、会社の同僚かもしれないし、はてまた誰もいないかもしれない。目の前に座る相手によって、カプチーノもロックンロールになる可能性を秘めている。
カプチーノとカフェラテ、どちらもイタリア発祥らしい。2012年の3月にフランスとイタリアを一人旅で訪れたことがあるのだが、僕がエスプレッソをオーダーしたのはパリにある「ドゥ・マゴ」というカフェであったと記憶している。普段からエスプレッソを飲む習慣があったわけではないので「え!? こんなに小さいの……?」と思ったものだ。大きな砂糖袋がふたつお皿に乗って出てきたのだが、それを小さなティーカップに溶かし入れつつ、「もう溶け切らないよ!」という飽和状態までもっていき、そのジャリジャリとした感じを楽しむ。はたしてそれが正しい作法なのかどうかは今でもわからないが、通はそうやって飲むものなのだと誰かから聞いた気がしたので、とりあえずやってみたわけである。苦味と甘みの絶妙なバランスがエスプレッソの魅力なのだな、とわからないながらに思ったものだ。その後、イタリアにも足を運んだのだから、そこでもエスプレッソを、カプチーノやカフェラテを味わっておくべきだった。今さらながらに後悔している。イタリアではとにかくエノテカでワインを嗜まなくては、と思っていたのだ。先入観というものは恐ろしいものである。次に訪れるときはよりオープンに楽しみたいものだ。いつになるかはわからないが。今日もまた会社近くにあるシアトル発祥の店でカフェラテにするべきかカプチーノにするべきか悩むのである。次回は先日仕事で訪れた韓国の話でもしようかな、と考えつつ、筆を置くことにする。
今日もまたひとり。向かい側に座る人はいない。その代わりと言わんばかりにカプチーノの「C」が陽気に微笑んでいる。
先日、韓国に出張で行った際、ソウルの街中でダンキンドーナツを見つけた。日本では見かけたことがないのだが、アジアにも進出していたのか。僕が留学時代を過ごしたアメリカはマサチューセッツ州発祥のコーヒーショップ、だったはず。
韓国のショッピングモールで見つけたカカオトークのショップ。イエローが遠目にも目立っていた。
韓国のエンタテインメント、ショービジネスに触れるべくSM TOWNへ。思い描いていたものより遥かにインパクト大。圧巻でした。