ブラックメタル女、さゆきです!
本日は、ポーランドの隠れた名所をご紹介しようと思います。ポーランド西部のとある街に、世界一と言われているものがあるんですよ。それは……世界一高いキリスト像。
こちらのキリスト像は、シフィエボジン(Swiebodzin)という人口2万人ちょっとの街にひっそりと佇んでいます。王冠を入れると高さは36メートルと、リオデジャネイルのキリスト像を凌ぐ高さだそうで……。
わたしは常々「ポーランドはメタル大国だ!素晴らしいブラックメタルバンドもたくさんいるぞ!」とそこらじゅうに言い触らしています。しかし、メタル大国である一方で、ポーランドはカトリックが97%を占めると言われるカトリック大国でもあるのです。
ポーリッシュ・ブラック/デスメタルの大御所、Behemothのネルガル氏が、ライブで聖書を破るパフォーマンス等を行い、裁判沙汰になったことも有名ですね。実は、今年の10月にBehemothはポーランド国内ツアーを行うのですが、ポーランドの国章をサタニックにデザインしたものをツアーのポスターに使用してしまい……またしても一部のポーランド国民の反感を買って、現在彼らはBehemothのツアーを中止させるために署名活動を行っているようです!お騒がせバンドなんだから~、もうっ(笑)!
さて、そんな国で暮らすブラックメタルファンのわたしは、特に悪魔崇拝もしていなければ、カトリックでもなく、このキリスト像には3度訪れています。近くを通ったから寄ってみるか~、暇だから行ってみるか~、というかる~い気持ちでね……。こないだも特にやることがなかったので、なんとなく行ってみました。
常日頃から、バンドTシャツを愛用しているわたしは、この日もキリスト像に普段着で向かいました。そして到着してふと……ポーランドのブラックメタルWitchmasterという、思いっきりサタニックなバンドのTシャツを着ていること気づくも時すでに遅し(笑)。一緒に行ったポーランド人は、MayhemのTシャツを着てきてしまい、二人そろって自分たちのあまりの無神経さに言葉を失いましたよね(ただ、ポーランドでサタニックなTシャツを着ていて、カトリックらしき人に十字を切られたり、聖水をかけられたりしたことは、今のところありません)。
とりあえず気を取り直し、キリスト像に登ることに。こちらの像、今現在は入場料も駐車場代もかからず、無料で見学することができます。ただ、キリスト像のすぐ近くにホテルを建てているようなので、本格的に観光地化させようとしているのかなぁ……そのうち、もしかしたら入場料を取ったりするようになるかもしれません。
緩やかな傾斜の地面を進み、ちょっとした階段をのぼると、キリスト様のおみ足まで行けるようになっています。そして、注目すべきはおみ足からの風景! 気になりますよね~! 世界一のキリスト様からの景色ってどんななんだろう! はい、それではお見せしましょう!
じゃん!!
あれ?
……え~、前方に見えますのは、TESCO、ヨーロッパに展開しているイギリス資本のスーパーでございます~。右手には東欧らしい集合住宅も見られますよ。
キリスト様のおみ足からの景色は、わたしの動画でも見られるようになっておりますので、どうぞ興味のある方はご覧になってみてください。
【ポーランドの世界一に会ってきた】The highest Jesus Christ in this world
ちなみにこのキリスト像、2010年にシフィエボジンのとある神父によって建てられたもので、建立時、そして建立後も、地元民からは反対の意見が多かったとか。「こんな像にお金をかけるなら、もっと市民のためになるようなことにお金を使ってくれ!」「見栄のためだけに巨額な金を使って無駄なものを作るな!」と。…いやぁ、ごもっともな意見で。
たとえば、もっと観光客の見込めるような都市部、もしくは素晴らしい景観の場所に建立されればよかったものの、交通の便は悪く、お世辞にも景観が良いとは言えない場所に立ち尽くしている何これ珍百景なキリスト像なのです。
シフィエボジンの街自体も、ポーランドの地方都市をさらに田舎にした街なので、特に見どころもないのが残念ポイントに拍車をかけています。せめて街中にもおかしな像が建っていたり、一風変わった名物人間なんかがいれば良かったのですが、今のところこれと言った特徴は無いようです。
とはいえ、いつ行ってもそれなりに見学者はいるので(こないだは10人前後はいました)、よほどもの好きな方、よほど暇な方は、ポーランドにいらした際に訪れてみても良いかもしれません。もし行かれる際は、服のどこかにサタンや逆さ十字がどこかにプリントされていないか要チェック!