日本バンドも参加<JAPAN RISING>

3日目には<JAPAN RISING>と銘打たれた3本のライブがQUEENS HOTEL(ホテルの地下がライブスペースになっている)で行われ、日本からはBuffalo DaughterMayu WakisakaTARO&JIROの3組が参加。ライブの合間には無料でお寿司が提供されるなど、日本の音楽と共に食も楽しめる空間になっていた。特にBuffalo Daughterのライブでは、筆者が開演時間に会場に戻ったときには既に観客でいっぱいになっており、バンドメンバーの姿を確認するのが難しい(この会場はやや天井が低い)くらいの集客だった。当日別の会場で演奏していたカナダのバンドThe Crooked Brothers(ザ・クルックド・ブラザーズ)のメンバーなど、観客にアーティストの姿が多かったことからも、彼らの人気の高さを感じることができた。

教会もライブ会場のひとつに

多くのライブを鑑賞した3日間であったが、個人的に最も印象的だった会場は、ST MARY’S CHURCHという街の南東に位置する教会。壮大な建物の中で、主にピアノや管楽器を中心としたアーティストのライブが行われた。昼間は太陽の光が差し込む幻想的なこの会場で、<JAPAN RISING>後のMayu Wakisakaもライブを行っていた。ソニーのウォークマンのプレロード(デフォルトで入っている)曲である“24 Hours”、“Fall”といった楽曲を中心に、会場を温かい空気で包み込み、終演に近づく本フェスに花を添えた。また今回敢えてベストアクトを選ぶのであれば(各日20組程度のライブを鑑賞)、初日の夜にこの会場で行われたBENJAMIN CLEMENTINE(ベンジャミン・クレメンティン)のライブ。イギリスの人気音楽番組「Later With Jools Holland」での演奏(下記映像参照)から一気に火がついたロンドン生まれのシンガーソングライター。彼の噂を聞いて演奏を確認しにきているような観客が多い中、代表曲“CORNERSTONE”の演奏が終わった後には、1分間のスタンディングオーベーションが起こり、会場は「何かもの凄いモノを観てしまった」感に包まれていた。圧倒的なライブを披露した彼の今後の活動は要チェックだ。

ベンジャミン・クレメンティン – “Cornerstone”

そんなわけで、音楽に包まれた3日間だったわけだが、久しぶりの3Daysフェス参加だったことに加え、かなり多くのアーティストのライブが観られるということもあり、前半は移動の疲れと寒さにヤラれ気味だった。後半からは流れに任せて会場をまわってみたり、歩いている人にオススメのライブをインタビューするなどして、ゆったりと時間を過ごすことができた。屋内のライブがほとんどなので、雨の心配はあまりしなくていいし、街の中で行われるフェスなので、キャンプなどの準備も必要もない。また本フェスは新人の登竜門でもあるので、一足先にいいバンドを見つけられる絶好のチャンス。日本から参加する場合には、ちょうどいい規模&雰囲気のフェスだと思うので、このブライトンの街が音楽一色に染まる3日間を肌で体感してみて欲しい。

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