私は現在、DJとして1-2ヶ月に1度のペースで韓国でプレイを続けている。行くたびに新しい流行、新しい音楽、新しい箱などと出会い、もはやその成長スピードについていくのが難しいほど。今回は、注目はされているけどなかなか日本に入ってこない韓国のヒップホップシーン事情と、音楽業界全体の傾向について紹介する。国内外から注目を集め、韓国のアンダーグラウンドを牽引する重要レーベルHi-Lite Recordsの社長、Paloalto氏に話しを伺うことができた。

日本人はまだ知らないソウルの最新ヒップホップシーン事情 (Hi-Lite Records 社長 Paloalto 単独ロングインタビュー part.1) 2-700x394
 
ご存知のように今、日本国内のヒップホップ/ラップブームは日夜めまぐるしく勃興している。「高校生RAP選手権」や「フリースタイルダンジョン」をきっかけにフリースタイルラップバトルがブームとなり、その追い風を受けてヒップホップというジャンルも注目されるようになった。

一方で、海外に目を向けると『88rising』含めアジアのヒップホップが活況を迎えており、お隣の韓国では韓国版「フリースタイルダンジョン」とも言える、人気TV番組『Show Me The Money』シーズン6の放送が先週29日(金)に始まった。プロ・アマ問わず、様々なラッパーたちが実力を競い合うサバイバル型オーディション番組であり、2012年の初放送以来、絶大の人気を博しながら韓国の音楽シーンにヒップホップブームを巻き起こしてきた番組だ。この番組を通して発掘された実力派ラッパー達が、韓国の音楽チャートを総なめするなどその影響力は驚異的である。
 

Show Me The Money show case

 

来週、7月15日(土)に東京へ来日公演をするLoco (AOMG所属)も歴代優勝者の一人であり、今シーズンの審査員として抜擢されたDEANを始め、シーズン5でセミファイナリストとしてその名を沸かせたHi-Lite Records所属のラッパーReddyや、個性のあるラップと強烈なキャラクターで好成績を残したG2の来日。そしてシーズン4で審査員を務めたレーベルボスのPaloaltoも含めて、番組出身のラッパー達が東京に訪れる機会も徐々に増えてきている。今となってはこの番組と韓国ヒップホップの勢いを感じている人も多くいるのかもしれない。

そんな中、韓国のヒップホップ/ラップシーンにおいて最重要とも言えるレーベルHi-Lite Recordsをすでに知っている方も多いと思う。2013年にレーベルコンピレーション・アルバム『Hi-Life』を発表した後、『Album of the Year 2013』や『Label of the Year 2013』などのタイトルを獲得し、アンダーグラウンドシーンを代表するレーベルにまで成長した。そして2015年、当時ハイライトに所属していたラッパーKeith Ape(キース エイプ)がシングル「It G Ma」を発表。日本人ラッパーのKOHHとLootaも参加していたこの曲は、日韓共同作として世界のヒップホップシーンを揺るがした。また、在米韓国人のOkasian(オケイション)は海外メディア『88rising(*)』にもよく取り上げられ、日本人アーティストとも交流が深い為、一度は耳にしたことがあるだろう。(二人とも2016年にHi-Lite Recordsを卒業。)
 

Keith Ape – It G Ma

今回は、この今の韓国ヒップホップシーンを語る上で超重要なHi-Lite Recordsのボス(社長)であるPaloaltoに韓国ヒップホップの現在とこれからの話を伺うことができたので是非ともご覧あれ!

*88risingは、YoutubeやInstagramで話題をさらった若干16歳のインドネシア人ラッパーRich Chiggaの動画や、KOHHとのコラボレーションでも知られる韓国の人気ラッパーOkasianの動画を公開するなどして、急速に人気を集めたアジアのストリートカルチャーにフォーカスした海外メディアプラットフォームである。
 

88rising Youtubeチャンネル
 

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YonYon : 韓国の音楽シーンで、ヒップホップの人気が顕著に現れたのは2014年頃だったと思います。それはShow Me The MoneyというTV番組が国民的支持を得始めた時と同じくらいです。Show me the moneyを通して韓国のヒップホップ界が恩恵を受けている反面、韓国内のリスナーの性格上、“音源チャートにランクインしている曲”だけを聴く。または、“流行している音楽を聴いている(知っている)自分はクールだ”という傾向がある中で、彼らは本当にヒップホップを理解して好きなのでしょうか。それともラッパー達をアイドル的な立ち位置(つまり商品化されたアーティスト)として見ているのか疑問に感じました。世界的にヒップホップは常にメインストリームの中で強く根付いていましたが、韓国では、それまでメジャーで活躍していた国内のラッパーは少なかったと思います。どうして急にアンダーグラウンドな音楽が韓国内の音源チャートにランクインするなど、大衆がヒップホップを聴くようになった理由は何だと思いますか?

Paloalto : 僕が思うには、韓国の観衆はヒップホップに対する音楽的知識・文化的背景に関する理解は全体的に不足していると感じます。それは、Show Me The Moneyなどのテレビ番組を通して流入してきたファン層が増えていく中、番組自体でヒップホップの深いところまでを取り扱うのは非常に難しいからです。いずれにせよ現在、韓国のヒップホップは一つの流行として消費されている。今の韓国のヒップホップファン層は、YonYonさんが話していたアイドルファン層とはまた違った層になりますが、似たような雰囲気のファン層が多く存在すると考えています。例えば、音楽よりも該当アーティストの見た目(イケメンかどうか)を重視する。またはアーティストの全ての公演にカメラを持参し、ライブを楽しむというよりひたすら撮影をしてiPhoneを手放さない人たちが結構目立ちます。
一方で、Show me the moneyでピックアップされたアーティストがセールスを伸ばし始め、K-POP全体のトップチャートに名前がランクインするようになったり、実際に音楽で生計を立てられるヒップホップアーティストが徐々に増えてきた。そうすることでこの番組は更に注目を浴び、より多くのラッパー達がプロ・アマを問わず、誰もがオーディションに参加するようになった。その結果、韓国のヒップホップ界に置けるShow me the moneyの影響力はアーティストにおいても、リスナーにおいても不可欠なものへと成長していったと思います。

YonYon : つまり、ヒップホップも一つのメインストリームのジャンルとして捉えられ多くの人々に楽しまれるようになったということですね。大衆がより気軽にヒップホップ音楽に触れる機会は増えていますが、アーティストにとっては少し寂しいところがありますね。では逆に、韓国のヒップホップシーンの中で、昔と比べてアップデートされた点などはありますか?

Paloalto : 例えば大衆音楽の流れと、クラブとの関係性が挙げられると思います。Hi-Lite Recordsを立ち上げた初期、2010年から2011年にかけて国内のヒップホップ箱のほとんどが潰れていった。もしくは閉店はしなくても音楽のジャンルをEDMを取り扱う箱に変え運営を続けたりと、クラブでヒップホップを聴くことはとても難しかった。Hi-Liteでもレーベル主催のパーティーを何度か企画したことがあるが、ヒップホップのイベントをやってもお金にならないという理由で無視され続けてきた。ヒップホップの人気があまりない中で、地道に活動を続けてきた人々が今となってはシーンを引っ張る成功者として残っているのだと思います。最近だとThe Henz Club, Soup Seoul など、様々な文化・All kindな音楽を楽しめるクラブができました。今の若者たちはEDMや大衆音楽以外にもHip Hopなどのアンダーグラウンドミュージックを楽しめる環境がよく整っていると考えられます。
 

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 そういった面では、韓国でのヒップホップの人気背景には二面性があると思います。一般的にヒップホップが韓国全体の中で人気を博しているので、流行を通じて表面的にヒップホップに触れている一般大衆がいる。その反面、Show me the moneyのようなメディアを介して音楽に接するようになった人々がより深く音楽を聴くようになる人々も増えてきているからです。しかし、僕はヒップホップの一ファンとして、この文化の深さをもっと分かち合いたいですし、ヒップホップの中でもより多様な要素が共存している事実を知ってほしい。どうしても、Show me the moneyのようなオーディション番組は、刺激的な要素だったり、アーティスト同士の競争に焦点を当てて制作されたものなので、一部の場面しか見せられていないと思います。

YonYon : それに、人によっては放送に出ることで、損をするアーティストと得するアーティストで分かれそうですね。正直、制作陣によって露出のコントロールされたら、リスナーには切り取られた一部の真実しか伝わりませんですしね。

Paloalto : はい。放送メディアとかでは人為的なストーリーが見えてしまうと言うか…。それと、番組ではラッパー達が競争をして生き残らなくてはいけないといったイメージが植え付けられたり、ヒップホップ=誇示、プライド、お金といったイメージだけを切り取られて映されているのも非常に残念です。一番重要なのは、ヒップホップは若者世代の為の音楽なのに、そういった若いリスナーを育てる媒体がもっと増えたらいいのになと思います。この文化がどんなにクールで、楽しめるものなのか、多くのものを見てもらえるきっかけが増えるべきです。
今現在の10代・20代の子たちがどのような認識を持ってヒップホップに触れているのか僕にはわかりませんが、あまりにも競争的で派手なものといった根拠のない幻想を持たせることも危険だと感じています。なぜなら、僕が若いころに感じたヒップホップを初めて聴いた時のあの感動は、“私の考えとの主張を堂々と繰り広げ、自分の夢を実践に移すことができると言う自信”、また音楽を通じてたくさんの人々に出会い、これがお金になろうがそうでなかろうが、“自分の人生の楽しみながら得る人生観”のようなものを学んだ衝撃です。
つまり、僕が伝えたかったのは、ただラップやヒップホップが物質的な成功に繋がる手段として勘違いされないといいですね。それでも、良い音楽に、素晴らしいミュージシャンは多いので、今のシーンを悲観的には考えていないです!

YonYon : そうですね。カッコイイ音楽、カッコイイアーティストがいれば、そこについてくる観衆も必ずどこかに存在すると思います。当然な話かもしれませんが、そういった良いものを発信して露出し続けることが重要なんだと思います。そのような面で、先ほどPaloさんが言われたように、アーティストの結果物や評価より、音楽を制作する過程やその人の生き様とか、ストーリー全体を見せられる機会があるといいですね。
 

YunB – New York II (Studio Session Snippet)

 

そもそもHi-Lite Recordsは2010年3月、Paloalto(パロアルト)と初期設立メンバー達によって設立された。主にHip-Hop, R&B, Soulなどのブラックミュージックを手掛けるレーベル
で、アーティストの発掘、アルバム制作・公演制作及びPVなどの映像制作を行っている。レーベル設立前、Paloaltoが所属していた開花山 (ケファサン)というクルーのメンバーであるラッパー、音楽プロデューサー、そして幼なじみの信頼できる友人達と共に会社を作ったという。

現メンバーは、社長のPaloaltoの他Huckleberry P (ハックルベリー・ピー)、Reddy (レディ)、G2(ジーツー)、Sway D(スウェイディー)、YunB(ユンビ)が所属。 運営側には元ラッパーのCamo Starr(カモスター)が会社の理事として全般的な業務を担当し、DJ Janga(ジャンガ)がアーティストサイドのマネジメントを行っている。

そして、Paloさんから新たなお知らせがあるとのことで、詳しく話を聞いてみた。

Paloalto : 実はまだ韓国では公式発表してないのですが、せっかくなのでこの記事を通して発表したいなと思いました。今年の3月に‘Yosi(ヨシ)’というプロデューサーをHi-Liteの公式新メンバーとして迎えいれました。僕が去年の10月に発表したミニアルバム『Victories』の収録曲のうち、『Home(トラックNo.1)』『Jet Lag(トラックNo.2)』『Desire(トラックNo.6)』のプロデュースをお願いして、とても満足した作品として仕上がりました。もともと3年前からインスタグラムのDMで連絡を取り合い、いくつかの楽曲を一緒に制作してきました。僕は、彼のビートを聴いた日からとても気に入っていましたし、コツコツ制作を共にすることで僕の音楽スタイルと相性が良いことに気づいた。Yosiは僕との制作以外にも、Crusial StarというラッパーのMix Tapeの制作に携わっていたり、Code Kunst (HIGHGRND所属のプロデューサー) などが所属している LEGITGOONSクルーのメンバーの一員です。Yosiの知名度はまだそこまで高い方ではないが、これからの活躍に期待しています。

YonYon : そんな大事な話、日本で先に公開してしまって大丈夫なんですか?

Paloalto : えぇ。いずれにせよ近々公開する予定だったので、韓国ではまた改めて公式アナウンスしたいと思っています。これまで様々なアーティストの入れ替わりがありましたが、新しいアーティストYunB(アメリカ出身の韓国系アーティスト)の加入、Yosiとのアルバム制作など、レーベル内で着実に新しい流れができていると思います。

Paloalto – Home

YonYon : 今年の4月でHi-Lite Recordsは7周年を迎えましたが、これから起こる大きな変化と期待していることはありますか?

Paloalto : 僕が今年期待したいのはSway DとYunBがHi-Lite Recordsの次世代アーティストとして脚光を浴びることです。Sway Dは、もともとB-Freeと共にGreen Clubというチームを組んでいたがB-Freeのレーベル脱退により、以後プロデューサーとして様々なアーティストへの楽曲提供をしてきた。6月20日はソロアーティストとして初のシングル’Super Great’を発表しました。‘Super Great’のティーザーやアルバムカバーなどを通して、もう一つのアイデンティー‘Super Great Hurriane’という、これからの彼の活躍を暗示させるような新しい世界観を創り上げている。こういった試みを通して徐々にSway Dが音楽的な面で活動領域を増やし、自身のキャラクターを確立させつつあります。
 

 

また、2016年に新しくHi-Liteの家族として加わったYunBもいくつかのSingleを出したあとに、彼のデビューアルバムを6月29日にリリースしました。この二人が連続的に音源を出すことによって、両方のアーティストがHi-Liteの新しいアーティストとして、レーベルに新たな風を作ってくれたらという願望があります。
 昨年、元々所属していた数名のアーティストたちが引退した為、新しいアーティストを迎え入れようになり、Hi-Liteに新たな雰囲気を吹き込んでいきたいと思っていました。YunB, Yosiに続く新たな新メンバーも募集するつもりではありますが、現在具体的な計画はありません。ヒップホップは若い世代の為のもの。新しい若いアーティストたちと共に良い創作活動をしたいと思っています。

YonYon : ありがとうございます。YunBの話が出たので、ここで私達の宣伝をしてもいいですか?

Paloalto : もちろんです。そういえば、君たちのPVを七夕の日に公開しようと思っています。YunBにはよりグローバルな活動を期待しているので、是非お願いしたい。
 

アメリカ出身で現在は韓国で活動するYunBは、昨年夏にHi-Lite入りしデビューシングル『Runaway, Pt.1』『Runaway, Pt.2』をリリース。その後、様々なアーティストとコラボし、『Yayo (feat. MaseWonder)』,『What you want (feat. Dumbfoundead)』,『Robabank (feat. Lil Cherry)』などの数々のシングルを連続的に発表してきた。そして、待望のデビューアルバム“YunB”を先月29日に発表し、アルバムを通して自身の哲学とオリジナリティーを確立させた。ソウルとニューヨーク、二つの都市で得た様々な経験と情緒を余すところなく表現し、EP “YunB”は現在の彼の姿を写した鏡のような作品だ。

代表曲の“2099”をはじめ、アメリカでの生活を描いた 『New York Ⅱ』,『50K』などの計7曲が収録され、この記事の作者であるYonYonは、6番目のトラック『Ritalin』にフィーチャーリングアーティストとして参加。刺激や新しさだけを追求する生活と、それを否定する内面の正直な気持ちを混在させたこの曲は、YunBの英語ラップとYonYonの日本のラップが絶妙な調和を成して夢幻的な雰囲気を演出する。
 

YunB – Ritalin (feat. YonYon)

 

YonYon : ミュージックビデオはYunBに日本に来てもらい、歌舞伎町や下北沢・渋谷など東京を代表する都市の美しい絵を切り取って撮影しました。その反面、実際に歌っている歌詞は成功を追いかける人々の葛藤と、都市生活のギャップについて書き下ろしました。実はRitalinの映像監督はYunB本人が務めている。彼は大学で映像学などを学んだ経験があり、会うとだいたい音楽の話よりも映画の話をよくしてくる。PVの撮影は東京のアンダーグラウンドでクールな創作活動をしているクリエイター集団『Tokyo Vitamin』のKenchanにお願いして、日韓コラボを実現させました。

Paloalto : 僕はこのアルバムとYunBを通じてレーベルの海外展開のきっかけ作りができたらと願っています。Hi-Liteのアーティスト達が海外公演する機会は増えて来てますが、かといってまだ海外リスナーの多くに知られている方ではないので、海外活動を通じてファン層を増やしたいという欲はあります。また、ライブだけではなく実際に、海外アーティストと共に創作活動をすることで更に道を切り開いていきたい。
 YunBはそういったところで、レーベル所属のアーティストの中で最も可能性が開かれたアーティストだと思います。彼はアメリカ生まれ育ったので、英語が堪能で音楽のスタイルもブラックミュージックのトレンドをいち早く読み取り、積極的に海外のアーティストともやり取りしている。彼の独特な音楽スタイルが韓国で受け入れられるか少し心配であるが、僕が最初に感じた彼の作る音楽への印象や彼自身のオリジナリティが損なわれないようにサポートしていきたいと思っています。
 
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YonYon : なるほど。これからのHi-Liteはグローバル志向であるということですね。

Paloalto : もちろん韓国市場も大事ですが、インターネットの発達によりもはや世界は一つに繋がっていると思います。例えばSNSなどのツールを使えば、お互い意思疎通もできて、言語の壁を破ることができる時代です。お金とは関係なく、たくさんの国との繋がり・経験が大事だと思います。Hi-Lite Recordsを作ってから、Keith Apeの成功を見守ってきたり、それ以外にも国内のアーティストが海外に行くのをたくさん見てきました。外国でも、韓国の音楽市場への関心が高まってきている言える。
 僕はHi-Lite所属のアーティストたちが創作活動をしながら、楽曲をリリースし、音楽活動を通して自分の音楽にもう少し誇りを持って欲しいと思っています。韓国の音楽市場は他の国と比べて規模が小さすぎるので、人気のある音源はメディアによって決まってしまうし、世界の音楽シーンの流れと違って韓国の一般大衆はそれを受け入れるのが遅い。 幅広い音楽に開かれた世界のリスナーに音楽を届けることが、音楽を作る側にとても満足した評価を得ることができると思います。そういった意味で、活動領域を広げるのが良いと思ったのです。
 

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YonYon : 最後に日本にいるHi-Lite Recordsのファンの皆さまに一言。

Paloalto : インタビューをご覧になられている方の中で、Hi-Liteの音楽を楽しんでいるファンの方がいらっしゃれば心から感謝しています。そして、そんな方達とより近づける機会を作りたいと思っています。1年に1回ほど、Hi-Liteのアーティストが東京で公演していますが、日本という地は北から南までとても大きな土地です。中には地方の方で東京までライブに来られない人たちもいることでしょう。近い未来に東京以外にも地方公演ができたらいいなと願っています。これからも、こうしてインタビューや記事以外にも直接ファンの皆さまにお会いできるチャンスが増えるように頑張ります!

YonYon : ありがとうございます。ここまでは、Show me the moneyが韓国の音楽シーンにもたらした影響と、韓国のアンダーグラウンドシーンで第一線を走るHi-Lite Recordsの紹介をしました。Part 2.では、韓国の音楽市場におけるビジネスとアーティストとの関係性、そして現在、韓国市場が抱えている問題点について。後半はHi-Lite Recordsで今最も活発的に活動しているアーティスト、ReddyとG2の紹介。そして、インディーレーベルならでわの、彼らのプロモーション戦略についてお話します。お楽しみに!
 

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Hi-Lite Records 社長、Paloalto

 

YonYon (BRIDGE)

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2011年にDJとしてのキャリアをスタート。Future Beats、Hip Hop, UK Bass、House、Technoまでジャンルを越え直感的にミックスするスタイルが世界中から評価され、日本のみならず東アジア、アメリカ、ヨーロッパなど国内外にまで活動の幅を広げている。さらにソウル生まれ東京育ちというバックグランドを生かし、海外のアンダーグラウンドアーティストを日本や韓国に繋げるためのブッキングエージェント、“BRIDGE”のプロモーターとして2016年に本格始動。東京に拠点を置き、ブッキングのみならず、イベントの制作、英語 / 韓国語 / 日本語の通訳・翻訳、コラムの執筆、ラジオなどを手がけ、各国のカルチャーを相互に結ぶ架け橋(BRIDGE)となっている。また2016年から2017年5月にかけては、女性の芸術活動の支援を目的としたアトランタ発のパーティー[Bae]のアジア展開におけるディレクションを手がけ、国境や人種、性的アイデンティティを越えたクリエイティブ・エイジェンシー[Bae Tokyo]へと成長させた経歴を持つ。
現在は、世界各国を飛び回りながらも、シンガーソングライターとして様々なアーティストのフィーチャリングをこなし、年内EPリリースに向けて楽曲制作中。

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