一人旅は生まれて初めてで、日本から出るのは七年ぶり!
以前海外に行った時は小学生で、あの時の記憶はほとんど無いような気がする…
知らない土地に一人きりで居るってどんな気持ちなんだろう?
その解放感を一度味わってみたいな。
そして、今までの自分を少しでも変えるきっかけが見つかったらいいな。
そんな考えでワクワクしながら一人旅を決意。
ここまで読んでくれた人には、凄く前向きな旅の始まりに見えるかな?
でも、実際の私は…
「結局あまり誰とも話さずに帰ってくるんだろうなぁ。」
まあ最初だしそんなもんだろうって思っていたよ笑
実際に旅をした私は人と話さないまま帰ってきたの?
その疑問への答えは、台湾に到着した瞬間に分かった。
……。
「切符の買い方が全く分からない!!」
最初からこんなことある!?
もちろん日本語は無いし、券売機のボタンを適当に押したら「error」の文字。
お札を入れたらすぐに機械から出てくるし。泣きそう。
あの時はパニックだったなぁ(笑)
勇気を出して誰かに聞くしか無いと思っていたら
一人の男性が私に声をかけてくれた。
彼は台湾の人だが、一生懸命日本語を喋ろうとしてくれる優しい人だった。
「行き先はどこ?」
「両替をしないと大きなお金は券売機では使えないよ!」
ひとつずつ説明しながら切符の買い方を丁寧に教えてくれた。
神かと思った。なんて優しい人なんだ。。
大袈裟かもしれないけど、この時の私は
日本で、知らない人にこんな優しさで接する人に出会ったことが無いと思った。
後から考えてみたら、切符の買い方レベルで困ることが無いから当たり前だ。
あの瞬間、何故か私は、台湾人全員が社交的で優しいのだと思った。焦っている時の思考は冷静になって思い出すとよく分からないことが多々ある。
これはあるあるじゃないですか(笑)?
しかし冷静になっても、日本人は優しいのにシャイで、遠慮してしまう。知らない人に自分から声をかけるイメージがあまり無い。多くの日本人がそうとは限らないかもしれないけれど。
それに対して、旅が終わって帰国した今でも、台湾の人はシャイな人は少ないイメージ。
こんなに近い場所にある日本と台湾なのに、人の雰囲気は全然違うんだな。
私には足りない事があの人にはあって羨ましい。これは人間が当たり前に思うこと。
生まれ持った能力や環境は人それぞれ違うのが普通だし、
一生自分と一緒に生きていく、
この世の中の誰よりも、自分が一番自分と一緒にいる。
そんな自分の生まれ持った物に飽きてきて、他のものが欲しくなるのは当然だけど、それはないものねだりだと思う。
今まではそういう考えをしてきた。
でも、台湾の人に会った時は
そんな考えは取っ払ってこの人柄を真似したい!と思った。
なれるかなれないかではない。
純粋に「良いな!」と思える魅力を感じた。
これはどう考えても私の今回の旅での一番の収穫。
正直、旅で最初から戸惑うとは思わなかった私は想像以上に焦ってしまった。
電車くらいすぐに乗れると思っていたのに。
でも、現地の人に助けてもらった。
この出来事のおかげで、これからの旅で何かあってもどうにかなりそうだなと、安心した。
実際に、行く先々で日本語を沢山使って話そうとしてくれるたくさんの現地の人の優しさに触れることが出来た。
ここに居る事が楽しくて仕方ない。
私はまた必ず、この土地に行く。
珠 鈴
2017年4月から東京にて音楽活動をスタート。
都会的でスモーキーなテクノに珠 鈴のメロディアスで透明感たっぷりのボーカルが特徴的。
サウンドはCity Your CityのTeppei Kitanoが担当している。
2019年5月29日には初のEPとなる『光の中を泳ぐ』をリリース。
等身大の10代が抱える悩みや世の中の疑問など、リアルに書いたリリックが同世代にじわじわと広がりつつある。