今年はコロナ禍の中、人と会う機会が減り、オンラインで繋げてゲームをしたり、スマホゲームについ熱中する人も多かったのではないでしょうか? そんな2020年、アーティストたちはどんなゲームに夢中になったのか、どんな感想をもったのか。
Qetic編集部では『THE BEST GAMES OF 2020』と題し、アーティストたちが今年ハマったゲームの紹介企画を実施。
お家で過ごす年末年始のお供となる作品を見つけられるかも!
今回はDJやアーティストとして3DCGを用いたVR/AR/映像表現を行うJACKSON kakiが『BALENCIAGA After World:The Age Of Tommorow』をピックアップ!
『BALENCIAGA After World:The Age Of Tommorow』
この作品をゲーム作品としてセレクトすることに意味があると思い、今回セレクトしました。
コロナの時代において、「バーチャル」というキーワードのもと、さまざまななオンライン展示や配信イベントが開催されてきました。カメラを通した映像の表現のみならず、3DCGや先端テクノロジーを利用したVR/ARが開発され、多くのイベントで使用されました。
その最中、オンラインのメディアとしてゲームが注目されました。オンライン・サバイバルゲーム『Fortnite』でUSのラッパー「Travis Scott」がライブを行ったのは世界中に大きなインパクトをもたらしました。
ゲームを使った表現は音楽だけにとどまりません。アパレルブランドのBALENCIAGAは 2021AWのコレクションの発表を『After World:The Age Of Tomorrow』のタイトルで、ウェブブラウザのゲームで発表しました。バーチャルを使用した非接種の展示会/イベントとしての機能だけではなく、受動的に体験するファッションショーの構造を、ゲームを通して、能動的に体験する転換が、ゲームのメディア性を上手に表現しています。
メディアアートとしての性質をクリエイティブに昇華させることで、そのシーンのクリエイティブに大きなインパクトをもたらしました。そしてこのクリエイティブを、いわゆる広告における「クリエイティブ」に留めるのではなく、一つのゲーム作品として批評することで、ゲーム自体のあり方や、今後の私たちの消費体験を批評することにつながると考えています。
バーチャルと強く謳われた2020年ですが、加速的に消費されていく新しいメディアに対して、私たちがどのように選択し、消費していくかが求められています。この作品のみならず、バーチャルや新しいメディアに対して我々がどういったリテラシーをもって関わっていくか、今後重要な観点になるでしょう。