昨今、健康分野に新しいテクノロジーを活用する「デジタルヘルスケア市場」が盛り上がっている。
この領域で、三菱UFJキャピタルやダイドードリンコ、資生堂からの出資を集めるなど、注目度が増しているベンチャースタートアップ、ドリコス社の新サービスを紹介したい。
”飲む”を通じた体験をつくるドリコス
ドリコス株式会社は2012年創業。「技術で、”飲む”を彩る」というコンセプトに、中核事業の1つとして「healthServer」事業を展開している。
※ちなみに、竹社長と筆者とは大学時代からの友人である。
ドリコス株式会社
「healthServer」ユーザーの健康状態に応じて必要なサプリメントを組み合わせ、オリジナルの1杯を作り出せるサプリメントサーバ。健康状態の判定は、身体のセンシング結果、もしくは専用アプリに入力した身体情報・行動履歴に基づいて行うものだ。
healthServer
これらの情報を元にサプリメントを組み合わせるため、ユーザーは「今」の自分に最適な栄養素を採ることができるという仕組みだ。
実際にhealthServerを体験してみた
今回、ドリコス社の文京区湯島にあるオフィスに伺い、実物の「healthServer」を使わせていただいた。
ヘルスサーバーの側面にセンサーが埋め込まれており、端末に触れて健康状態を分析、そこから収集したデータを元に、その人の疲労度(アクティビティスコア)を10~100までの10段階(10が最低、100が最高)で算出してくれる。現在、スコアの細分化、アプリからの行動情報との連携など、開発が進行しているという。
上記写真では見やすくするためサプリメントを水で割っているが、実際には水溶性ビタミンのサプリメント粉末が出てくるので、それをお茶や水などにいれて一緒に飲んで摂取するという仕組みだ。
その時々の体調に合った栄養素を簡単に摂取でき、過剰な摂取も防止できる点が嬉しい。
リリースの日が迫る世界初の仕組み
栄養素を調合する仕組みには特許が取得されており、この点が製品のユニークネスを支えている。
機器自体のレンタル料は無料とし、サプリメントが入った専用カードリッジを毎月配送する形を予定している。現在はプロトタイプ段階で、2017年9月にはまず法人向けサービスをリリース予定。コールセンターなどサポート体制も整えていくそうである。
ヘルスケア領域には様々なアプリが存在するが、日々必ず行うであろう「飲む」という行為に最新テクノロジーを融合させ、ユーザーの健康をサポートする仕組みは極めてユニーク。今後の展開から目が離せない。