世界中のダンスフロアを揺らす『オバ・シマ』
シムコヴィッツから連絡を受けたアタ・カクもまた、驚きを隠せなかった。
なにせ、ガーナに帰国した彼は、日雇いの仕事で厳しい生活を続けており、音楽活動はしておらず、情熱さえも失いかけていた矢先であったからだ。自分の音楽が評価されない事で落込んだ事もあったという彼は、妻メアリーからの着信音に『オバ・シマ』(愛しい人)を設定し、過去となった自分の音楽をひっそりと楽しむ事で未練を断ち切ろうとしていたのだ。
突然の電話で動揺するアタ・カクに、『オバ・シマ』が世界中の音楽ファンの間で騒がれていることを知らせると、彼は嬉しさのあまり言葉を失ったという。
翌年、最初のリリースから21年の時を経て、アタ・カクの『オバ・シマ』は、シムコヴィッツのレーベル〈Awesome Tapes From Africa〉の記念すべき第1弾として2回目のリリースを果たした。
現在、アタ・カクはヨーロッパツアーを精力的に行い、ダンスフロアを揺らし続け、シムコヴィッツはガーナで買い集めたカセットテープを使用したDJ活動で、世界中を飛び回っている。
ライブでのアタ・カク
カセットテープでDJをするシムコヴィッツ
アタ・カクを発掘したブライアン・シムコヴィッツのレーベル〈Awesome Tapes From Africa〉はこちら!
Awesome Tapes From Africa