サム。
夏からぶっ飛び、辺りはすっかりウィンター・ワンダーランドになっちまったな。
あぁ、チョコとウィスキー、そしてお前が愛おしいぜ。
第一回目は読んでくれたかな? ありがとうございます。
そんじゃHOLIDAYを続けようぜメーン!
およそ九年ぶりとなる故郷宮古市へのお盆帰省。どーしても手土産が必要だったって話だよな。
「スターになる!」と駆け足で東京出てきたけど、沢山の人が俺を心配し、反対した。そりゃそうさ、そういうもんさ。
(この場で言わせてもらうが、人生に保険をかけながらなんとなくミュージシャンの夢叶えるべく今から親に頭下げて音大でも専門でも行かせてもらおうとしている地方のboys&girlsがいたらマジ止めときな! そんな甘くねぇ。テレビやSNSなんかに騙されんな)
俺には絶対イケる! っていう自信があった。そして東京、この国をぶっ壊してやるとムラムラしていた。抜山蓋世。驕ってるわけじゃないぜ、これが中二病ってやつだ(笑)。
母が身一つで頑張ってくれたから、小一から高三まではピアノを習わせてもらった。ショパンの“幻想即興曲”くらいまではベタベタながらに弾けたんだぜ?
中学入学する頃にはだんだんつまんなくなってきてさークラシック・ピアノ。ブルースやジャズをなんとなくやりだだしたよ。弾き語りも練習するようになり、よくレイ・チャールズとか真似してなぁ!
きっと、あの頃からピアノじゃなくて俺は歌を唄いたかったんだろうね。
通った近所のピアノ教室はとても温かく、そしてフリーダムな場所だった。恩師であるピアノの先生は俺の好きな曲をなんでもやらせてくれたね。こいつは型にハメちゃいかんってね。ありがたいことだ。
高三になって、なんとなく自分の道が見えてきたとき、ピアノの先生にこう言った。
「いつか必ずデカいバイク跨ってこの教室にツラ出しますよ! まぁHarley-Davidsonとかですかね〜! ブブンブンブブブーン」
そんな感じで
色んな思いがスクランブルして、夏の帰省をためらっていたワケ。
単純な話「格好がつかねぇ」ってやつ。
……そして、2017年 夏。
ジャッジャーン! どうだー! 立派でしょーう? ハーレーさ! ダビッドソン! 1600ccの鉄馬よっ! いよっ! 男の憧れ! ベタなマシンじゃキマらねぇし、これなら文句なしだろベイベー!
……ばっちり振り回してきました。
波を眺めてきたんです。
本州最東端
朝日が一番早く登る町、三陸宮古の潮風を浴びてきました。
町の地形は震災で少し変わっちまったけど、力強い太平洋、そしてこの町に生きる人の懐は、何も変わっていませんでした。
変わっていたのは高岩遼
そう、お前だけだったんだな。
オーライ。
続きは次号でドン
高岩遼のよろしくHOLIDAY
高岩遼
岩手県宮古市出身。ヒップホップチーム「SANABAGUN.」、ロックバンド「THE THROTTLE」のフロントマン。謎多き表現者集団「SWINGERZ」の座長。ソロ活動ではジャズを唄い、2018年10月にビッグバンド率いたソロデビューアルバム『10』を発売予定。“平成のスター”に相応しい圧倒的存在感、スキル、ショウマンシップで大衆を魅了する。
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Photo by 横山マサト