「ヘイメーン!」なルイス様がユーモアの肝!?

戦闘シーンにおけるユーモアは必見だ。例えば、アントマンが自分の何十倍の大きさもある物体を持ちあげ、敵に投げつけたとする。あたりの物は派手に飛び散り、アントンマンの強大な力に観客は釘付けとなる。しかし、それを人間の視点に戻すと、その辺のゴミがちょっと飛んだだけ、なのである。終盤の戦闘シーンでこの視点が頻繁に差し込まれ、興奮と笑いが次々に交差される。『アントマン』を観終わった後の「あー楽しかった!」という感想はこれの影響が大きい。

世界中の誰もがアリに夢中!?映画アントマンの多彩な魅力とは! music150918_antman_7

だがしかし、この映画の一番のユーモアは誰が何と言おうが、ルイス様なのである。ストーリー説明の際に「悪友」と説明したのがこのルイス。そのルイスにはさらに二人の悪友がいて、俗に彼らは「3バカトリオ」と呼ばれ、話題になっているわけだが、実はただバカなだけではない。実は仕事はバリバリできるのだ。ハイテク機器を使いこなせるし、敵の本拠地に潜入もできる。バカなだけで。

しかしなんといってもルイス。ポッチャリでラテンでヒップホップなルイス。「ダァム」と「ヘイメーン」といったスラングを連発するルイス。甘いものが好き、そして話を脱線しまくるルイス。ああルイス。ルイスが自分の見聞きしたことを主人公に伝える回想シーンはまさに必見!  ブラックマヨネーズ小杉さんの吹き替えも話題だが、ルイスのラテン訛の英語もそのまま聞いて欲しいところ。吹き替えで観た人はもう一度映画館へ!

アリブームの後押しになるかも?! アリの魅力に釘付け!

アリがとにかくカワイイ! 今作はアントマン自身の強さの秘訣として、思うがままアリを操れる、というのも大きなポイント。創造性あふれるアリの使い方にきっと驚くはず。アリがコーヒーに砂糖を入れてくれるなんて可愛過ぎる……(萌)!

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しかし、もしかしたら昆虫自体受け付けない、という方もいるかもしれない。生理的に無理だと。でもきっと大丈夫。貴方は映画『アバター』(09年)覚えているだろうか。衛星パンドラの先住民族、オマティカヤ族の族長の娘でありヒロインとして描かれる、ネイティリ。彼女を一目見た時に思った。「か、可愛くねえ……。」これじゃあ主人公に感情移入できないと心配をしたほどだ。だが、映画が進むにつれてネイティに対して新しい感情が芽生え始める。そう、それは恋の芽。そして映画も終盤になるとこう思うはずだ。抱ける、と。

昆虫嫌いの貴方は最初、気持ち悪いと思うだろう。それはどうしようもないこと。好きになる人を選べないように、嫌いになるものも選べない。だが、スコットと共に悪に立ち向かう、けなげな彼らを観ているうちに嫌悪は好意へと変わり、最後にはきっと思うはず。抱ける、と。

もともとマーベル作品のファンだったというペイトン・リードが監督であり、他のマーベル作品との絡みも見どころの今作。また、これまでのマーベル作品とは一味違った作品にしてやろう、という彼の気合いが垣間みえる所がいくつかある。例えば、戦闘シーンにおいて、アントマンは「アリを自在に操れる」、という能力を活かし、どんどんアリたちを敵に向かわせる。今年公開された、同じマーベル作品『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』でもそうだったが、ヒーローは少数、または一人で、敵の数の方が圧倒的に多いもの。ヒーロー側の方が圧倒的多勢、という構図も斬新だった。これまでのマーベル作品との違いは他にもまだあるが、それは是非劇場にて貴方の目で探してみて欲しい。

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「ヒーロー系映画に疎い女子でも気軽に楽しめる」という事で、もしかしたら、これまでのマーベル作品とは全然違ったものになっているのでは……、と少し不安だった『アントマン』。しかし実際は、これまでのファンの心をガッチリ掴んだまま、あいた手で女子の心まで掴むとんでもない映画だった。新しいファンも開拓し、ついに興行成績は10億円を突破。更に2018年の続編も決定した『アントマン』。これから怒涛のように始まるマーベル作品と、そして新しく到来したアリの時代に乗り遅れることのないように!

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アントマン

上映中!


監督:ペイトン・リード
脚本:エドガー・ライト & ジョー・コーニッシュ ANDアダム・マッケイ & ポール・ラッド
原作:エドガー・ライト ジョー・コーニッシュ
製作:ケヴィン・ファイギ、p.g.a.
製作総指揮:ルイス・デスポジート、アラン・ファイン、ビクトリア・アロンソ
キャスト:ポール・ラッド、エバンジェリン・リリー、コリー・ストール、ボビー・カナベイル、マイケル・ペーニャ
原題:Ant-Man
製作年:2015年
製作国:アメリカ
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
上映時間:117分
© Marvel 2015

アントマンオフィシャルサイト

text by Qetic