この春、シアター・イメージフォーラムにて、アントン・コービンの真実の姿に迫るドキュメンタリー『アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影』が公開となる。ミュージシャンはアントン・コービンの写真に写る自分を目指す・・・。
ジョイ・ディヴィジョン、U2、デペッシュ・モードといった個性的なアーティストのイメージ作りに大きな役割を果たし、20世紀後半、ポップとアートの定義付けに多大なる影響を及ぼした伝説のフォトグラファー、アントン・コービン。ザ・ローリング・ストーンズやメタリカのような完成したアーティストを、若い世代に向けて再発信することにも多大な貢献を果した。また近年では、コールドプレイのPV制作や2011年にグラミー賞最優秀アルバム賞を受賞したアーケード・ファイアの公式写真を撮り下ろすなど、多くのミュージシャンから愛されている。
また、映画界にも進出し、イアン・カーティスをモデルとした初監督作『コントロール』は世界中で数々の賞を受賞。続く『ラスト・ターゲット』はハリウッドスター、ジョージ・クルーニーを主演に迎え絶賛された。さらに、新作『A Most Wanted Man』では、レイチェル・マクアダムス、フィリップ・シーモア・ホフマン、ロビン・ライトウィリアム・デフォーといった錚々たる面々が集結し、注目されている。
本作の監督は、アントンと同じオランダ出身の女性クラーチェ・クイラインズ。4年もの歳月をかけ彼に密着し、U2、アーケード・ファイア、ルーリード、メタリカ、そして、ジョージ・クルーニーといったアーティストの素顔が垣間見える、アントンならではの、親密な撮影現場をとらえている。その一方で、華やかな世界にいながら、見え隠れする彼の“孤独”に迫り、本人と家族のインタビューから、その“哀しみ”の裏側にある真実を明らかにする。これは4月の公開が待ちきれない。
アントン・コービン 伝説のロック・フォトグラファーの光と影
4月シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開
監督:クラーチェ・クラインズ
出演:アントン・コービン、アーケイド・ファイア、ボノ(U2)、メタリカ、ルー・リード、マーティン・ゴア(デペッシュ・モード)、ジョージ・クルーニー
2012年ベルリン国際映画祭正式出品作品
2012年/英語、オランダ/84min/ヴィスタ
配給:シンカ