シアター・イメージフォーラムで『世紀の光』が公開されていた、タイの映像作家であり、美術作家であるアピチャッポン・ウィーラセタクン。今年は“アピチャッポン・イヤー”と題し、日本劇場未公開であった『世紀の光』を始め、パルムドールを受賞した『ブンミおじさんの森』などの特集上映が行われていたほか、美術作家としてトリエンナーレなどにも参加予定だ。
そんな中、3月には5年ぶりとなる待望の新作『光りの墓』が公開される。独特の世界観に魅了された今までの彼のファンはもちろんのこと、現代美術に興味がある人も注目してみてもらえればと思う。
『光りの墓』予告編
ファンタジーとも形容しがたい、独特の世界観で映画を作り上げるアピチャッポン。この世のどこかにある場所で、この世には起こり得ないような物語が起きている。彼にとって言葉は飾りでしかないかも知れない。時間だって第三者が勝手に決めた区切りでしかないのかも知れない。それほどに彼の目を通して見たこの世界は、どことなく違ってみえる。
自然の音を多く取り入れながら、時にトリッキーな曲を使用したりと、楽曲の面でもアピチャッポンの作品は我々を楽しませてくれる。
今までにない映画体験。ぜひ劇場へ訪れてみてはいかがだろうか。
光りの墓
2016年3月シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
監督:アピチャッポン・ウィーラセタクン
製作:キース・グリフィス、サイモン・フィールド、シャルル・ド・モー、ミヒャエル・ベバー、ハンス・ガイゼンドルファー
脚本:アピチャッポン・ウィーラセタクン
撮影:ディエゴ・ガルシア
美術:エーカラット・ホームラオー
編集:リー・チャータメーティクン
キャスト:ジェンジラー・ポンパット・ワイドナージェン、、ジャリンパッタラー・ルアンラムケン、バンロップ・ロームノーイイット
原題:Rak ti Khon Kaen
製作年:2015年
製作国:タイ・イギリス・フランス・ドイツ・マレーシア合作
配給:ムヴィオラ
上映時間:122分
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text by Qetic・Rina Kawarai