2008年の『アイアンマン』を皮切りに、ひとつの世界を共有する「マーベル・シネマティック・ユニバース
(MCU)」がスタート。そのいったんの区切りとなるのが4月26日(金)に公開される『アベンジャーズ/エンドゲーム』だ。MCUを長年追い続けてきたファンにとっては『エンドゲーム』は人生の区切りといっても過言ではないビッグイベントだろう。

『アベンジャーズ』シリーズはキャラクターが一同に会するお祭り騒ぎ。しかし、前作『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』では、世界の人口を半分にして資源の行き渡る平和な世界の構築を目指すサノスに完全敗北を喫し、ヒーローたちの半分が文字通り塵となって消えるという衝撃のエンディングを迎えてしまった。そう、ファンはいまだに愛するヒーローが消えた状態の中で日々の生活を送っているのだ。

『エンドゲーム』でどんな逆転劇が待っているのか。遂に公開された予告編第1弾、そしてスーパーボウルで流されたTVスポットを検証しつつ、展開を予想してみたいと思う。

『アベンジャーズ/エンドゲーム』予告編第1弾を検証!

「アベンジャーズ/エンドゲーム」予告編

まず、予告編第1弾の流れを追っていきながら、背景を推測していく。冒頭から衝撃的シーン。宇宙空間を漂流する宇宙船内でメッセージをアイアンマンのマスクに録画していくトニー・スターク/アイアンマンが映し出される。4日前に食料も水も底をつき、空気すら明日にはなくなるという状況の中、「この映像を見ても落ち込むな。旅は必ず終わる」と話す。相手は恐らく、愛するペッパーだろう。そして旅路の相手はネビュラだ。サノスの星・タイタンから脱出してきたトニーとネビュラは果たして地球に戻れるのだろうか。

ここで「MARVEL」のロゴ。サノスの“指パッチン”でヒーローたちが塵となって消えたときのように、塵となって消えていく。そしてサノスのアーマーが案山子のように放置されている。しかしサノスの左手にはインフィニティーストーンをハメ込むためのガントレットは付いたままだ。サノスはどこにいるのだろう。『インフィニティ・ウォー』のラスト、幼き日のガモーラと再会したのどかな風景の世界に留まっているように見える。

アベンジャーズの本部にいるスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカとナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ。キャップは涙を流しており、全人類の半数が塵と消えた状況を悲しんでいる。ブルース・バナー/ハルクも、「行方不明」と書かれたスコット・ラング/アントマン、シュリ、ピーター・パーカー/スパイダーマンの写真を見て絶望。やはり、指パッチンは現実に起こったことであり、塵となるシーンがなく安否不明となっていたシュリも犠牲になっていたことが初めて判明する。

ソーは「何もかも失った」とアベンジャーズ本部とは別の場所らしきところで苦悩し、『インフィニティ・ウォー』には登場しなかったクリント・バートン/ホークアイは、東京らしき場所で日本刀で戦っていた。これはコミックに登場する「ローニン」という設定となっている説が有力だ。

ここでキャップは立ち上がる。「友人、家族、そして我々の仲間……。みんなのために戦う」。キャップはスーツに着替え、かつて愛したペギー・カーターの写真入りペンダントを手に、ブラック・ウィドウと共に戦いへと向かうが、ここがとてつもなく重要。キャップは、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』時代のスーツを着ているのだ。

再びロゴが表示される。今度は塵となっていたものが集まり、「アベンジャーズ」の「A」マークを形作り、美しく力強いAマークとなるのだ。これは消えたヒーローたちの生還を表現しているのではないだろうか。

そしてオチは、スコット・ラング/アントマンの登場。『インフィニティ・ウォー』の直後に公開された『アントマン&ワスプ』のポストクレジットで、量子世界に向かった矢先にサノスの指パッチンが発動し、彼を引き戻すためのワスプやピム博士らが消失。しかし無事に生還し、アベンジャーズ本部を訪ねてきたのだ。乗ってきた車は指パッチン時に乗っていたバンと同じ。大きな鍵を握りそうなシーンだ。

text by 鈴木文彦

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