最高のファッション・ショーは常にストリートにある。
じっと待ってなどいられない。
探し出すんだ“見たこともない楽園の鳥”を、
とびきりエレガントな女性や抜群のファッションを

ービル・カニンガム

ューヨーク・タイムズ紙の人気ファッション・コラム“ON THE STREET”と社交コラム”EVENING HOURS” を担当する名物フォトグラファー、ビル・カニンガム。親しい業界人でさえプライベートをほとんど知らないビル・カニンガムに、8年がかりで撮影交渉し完成した映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』がいよいよ今週末5月18日(土)に新宿バルト9ほか全国順次公開される。

雨の日も風の日もニューヨークのストリートに自転車で繰り出してはファッションスナップを撮り続け、夜になればチャリティーパーティーや社交界のイベントに出かけて行き、ときにはパリのファッション・ウィークにも遠征し撮影する。その鋭いセンスと独自の着眼点が、世界中のファッション・ピープルから注目され、84歳の現在でも現役ファッション・フォトグラファーとして多大な影響を与え続けている存在のビル・カニンガム。

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© The New York Times and First Thought Films.

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いつもお決まりのブルーの作業着姿で、雨の日にかぶる安物のポンチョはやがて破れてしまうからと、新調することもなくテープで修繕して着続け、コーヒーは安ければ安いほど美味しいと言い、ニューヨーク・タイムズ紙の写真家としての客観的な立場を保つために、パーティー会場では水一杯すら口にしない。50年以上暮らしていたカーネギーホールの上のスタジオアパートの小さな部屋は、今まで撮影した全ネガフィルムが入ったキャビネットで埋め尽くされていて、簡易ベッドが置いてあるのみ。キッチンもクローゼットさえもない。仕事以外のことには全く無頓着で、頭の中はいつもファッションのことだけでいっぱいといったような質素な生活ぶりなのである。

街、ファッション、カメラ─それがビルの人生、2008年にフランス文化省から芸術文化勲章オフィシエを受勲した際のパーティーで、「私のしていることは仕事ではなく喜び」と語ったカニンガム。本作は自分の仕事をこよなく愛し、そしてニューヨーカーたちに愛され続けるビル・カニンガムという希有の人物を通して、人生の普遍的なテーマを追いかけたドキュメンタリーだ。また、人々を魅了してやまないニューヨークという街で生きるカニンガムと、彼の周囲の愛すべき人物たちを、ユーモアを交えた温かい目線で映し出している。

世界中の映画祭でも喝采を浴びた、この傑作ドキュメンタリー映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』で、彼に会いに行こう。

映画『ビル・カニンガム&ニューヨーク』

2013.05.18(土)より新宿バルト9ほか全国ロードショー

監督:リチャード・プレス
出演:ビル・カニンガム、アナ・ウィンター、カルメン・デロリフィチェ、トム・ウルフ、エディッタ・シャーマン、パトリック・マクドナルド、デビッド・ロックフェラー
2010年/アメリカ/84分
原題:Bill Cunningham, New York
配給:スターサンズ、ドマ