チケットは即完!! 熱気ムンムンのバレン“タランティーノ”・ナイト
キャリア最大の全米ヒットを記録した最新作『ジャンゴ 繋がれざる者』のプロモーションとして、英国アカデミー賞授賞式から弾丸フライトで駆けつけてくれたクエンティン・タランティーノ監督。新宿ロフトプラスワンの公開記念イベント<~情無用の血斗ナイト~>にサプライズで飛び入りしたり、ご存知のとおり『笑っていいとも!』のテレフォンショッキングに登場したりと、まさにシネフィルからお茶の間まで巻き込んだタラちゃん旋風の1週間となったわけですが、『キル・ビル』に人生を変えられてしまった不詳私も、バレンタインデー前夜に東京・新宿ピカデリーで行われたスペシャル・スクリーニングイベントに足を運んでまいりました。その名も「バレン“タランティーノ”・ナイト」!
「熱狂的な男性ファンへチョコレートをプレゼントしたい」というタラちゃん自身のアイディアをもとに企画されたこのイベントは、18歳以上の男性限定という触れ込みながらチケットは即完(まあ、女性客も結構来てましたが…)。入場者全員に配布されたジャンゴ特製Tシャツ(非売品)を着用したファンと、無数の報道陣が熱気ムンムンで待ち受ける中に現われたタラちゃんは終始ハイテンションで、開口一番「ハロー、トウキョウ! タランティーノがキターー!!」と絶叫。一瞬で場内をひとつにまとめてしまった。「日本はこの20年間で何度も来てるから、タラちゃんズホームだぜ!」という嬉しいコメントも、決してリップ・サービスなんかではありません。
[twocol_one][/twocol_one]
[twocol_one_last][/twocol_one_last]
なんでも『ジャンゴ 繋がれざる者』の脚本の構想は、前作『イングロリアス・バスターズ』の来日キャンペーン中にひらめいたそうで、「日本は西部劇のサントラが豊富だからね。20枚ぐらい買い漁ってホテルで聞いていたら、ふと冒頭のシーンが浮かんだんだ。実際のシーンも、それとはまったく変わっていない。ノートを持ってなかったからホテルの便せんにメモ書きしたよ(笑)」と振り返った。司会者からバレンタインデーの思い出を尋ねられると、「小学3年生の頃だったかな。当時は学校内でカードを贈り合う習慣があってさ、好きな子のためにカードを買った。そしたらなんと、その子もオイラのためにカードを買っていてくれたんだ!」と甘酸っぱいエピソードも披露。
そしてイベントの目玉、セクシーな2人のジャンゴ・ガールと共にキャノン砲に仕掛けられたチョコ弾を客席に撃ちまくり、場内のボルテージは最高潮を迎えた。マスコミ向けの撮影タイムに痺れを切らし、「オマエら、映画が見たいかー!?」「西部劇が見たいかーー!!??」と超満員の観衆を煽ったのも束の間、マイクを床に叩きつけて去っていく姿はまるでプロレスラーのようだったが、これほどファン想いの監督は他にいないだろう。最高!
ジャンゴ特製Tシャツ&チョコ弾も無事ゲット!(バッグは前売特典の私物デス)
最高ーーといえば、映画本編も最高でした。タランティーノ監督初の西部劇、かつラブ・ストーリーということでかなり異色な作品になるかと思いきや、シリアスとギャグの匙加減が絶妙なタラ・ワールドは健在。黒人奴隷の主人公ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)と、賞金稼ぎのドクター・キング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)が出会う冒頭のシーンから緊張感MAXで、ぐいぐい物語に引き込まれること間違いなし。『イングロリアス・バスターズ』でアカデミー賞助演男優賞を獲得したヴァルツの存在感は言わずもがなで(今作でもノミネート多数)、ヴァルツがこれまで出演してきた他の作品へのオマージュともとれるセリフや設定があったり、タランティーノ作品の常連ことサミュエル・L・ジャクソンとの駆け引きなど、ファンなら思わずニヤリとさせられる仕掛けも満載だ。もちろん、悪役を心底楽しそうに演じるレオナルド・ディカプリオや豪華なカメオ出演陣、町山智浩氏が素晴らしい歌詞対訳をつけた劇中の挿入歌、そして5部門にノミネートされたアカデミー賞のゆくえも注目すべきポイント。バレンタインでチョコを貰えたリア充もそうでない人も、ぜひ劇場でジャンゴにバキューンと撃ち抜かれちゃってください。
(text by Kohei Ueno)
映画『ジャンゴ 繋がれざる者』
[twocol_one][/twocol_one]
[twocol_one_last][/twocol_one_last]
ストーリー
主人のもとで人間性を奪われ、妻を奪われた奴隷のジャンゴは、賞金稼ぎのシュルツと出会い、自由を与えられ、彼と共に銃の腕を磨き稼いだ金で妻を買い戻そうと決意。お尋ね者を追うアメリカ横断の旅の最終目的地は、妻が捕らわれているキャンディ・ランド。そこは残忍な若き暴君カルビン・キャンディが君臨する農園だ。ジャンゴとシュルツは奴隷商人を装いキャンディ・ランドに乗り込むが、見かけは黒人、心は白人の老獪な奴隷頭スティーブンが二人の正体を見破り! 思いも寄らない一大死闘が展開する!! 最後に生き残るのは果たして―――?
2013年3月1日(金)より丸の内ピカデリー他全国ロードショー!
監督:クエンティン・タランティーノ
出演:ジェイミー・フォックス、クリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ、ケリー・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン、ジョナ・ヒル
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント