アカデミー賞作品賞&監督賞を受賞した『ノーカントリー』のイーサン・コーエン監督の最新作『ドライブアウェイ・ドールズ』が6月7日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国公開される。
豪華キャストが共演! 破天荒なガールズムービーがここに爆誕!!
『ドライブアウェイ・ドールズ』は、アカデミー賞作品賞&監督賞を受賞した『ノーカントリー』のイーサン・コーエン監督最新作。長年、兄ジョエルと一緒に“コーエン兄弟”として数々の作品を手がけてきたイーサン・コーエンは、劇映画としては初となる単独監督を務める。そして今回は、妻のトリシア・クックと共同で脚本・製作を手がけた。キャストには、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で注目を浴び、『哀れなるものたち』に出演するマーガレット・クアリーや、MCU新作『Thunderbolts*(原題)』への出演が報道され注目を集めるジェラルディン・ヴィスワナサンのほか、ドラマシリーズ『マンダロリアン』『THE LAST OF US』に出演し今ハリウッドで最もホットな俳優ペドロ・パスカル、今年度アカデミー賞作品賞含む7部門を受賞した『オッペンハイマー』にも出演のマット・デイモン、さらに映画出演が久しいマイリー・サイラスが特別出演を果たす。イーサン・コーエン監督の遊び心たっぷりで、ラフ&スリリングな破天荒ガールズムービーが爆誕!!
本作は、ガールフレンドと破局したことを嘆く自由奔放なジェイミー(マーガレット・クアリー)と、堅物で自分の殻を破れずにいる友人のマリアン(ジェラルディン・ヴィスワナサン)が、日々の生活に行き詰まりを感じ気分転換に行き当たりばったりのドライブ旅行に出かけることになるというストーリー。
今回はそんなジェイミーとマリアンを演じた、マーガレット・クアリーとジェラルディン・ヴィスワナサンへの独占インタビューをお届けする。
マーガレット・クアリー&ジェラルディン・ヴィスワナサン独占インタビュー
――イーサン・コーエンとトリシア・クックは共同で製作していますが、現場ではどのように仕事をしたのでしょうか?ふたりの間で意見が食い違うことはありましたか?
マーガレット「彼らは同じ北極星を見ていたと思います。彼らのビジョンは明確でした。脚本を一緒に書いたのですからね。あのふたりは、この世界を一緒に作り上げたのですよ。とは言っても、ふたりから違うアドバイスをもらうことはありました。同じ結果を得るためのアドバイスなのですけれど、違うんです。イーサンはドライな(ユーモアのセンスを持つ)人。そこへトリシアは彼女なりの指示をくれて、求めているものがはっきりするということもありました」
――すごく笑える映画ですが、現場では即興もあったのでしょうか?
マーガレット「そんなことはとてもじゃないけれどやりませんでしたね」
ジェラルディン「そんな大胆なことはやりませんよ」
マーガレット「脚本はものすごくしっかり、特定して書かれています」
ジェラルディン「みっちりと書かれているんです」
マーガレット「独自の言語があるような感じなんです。そこに自分のものを勝手に投げるのは無理。そんなことをやる勇気はないです(笑)」
ジェラルディン「コメディでは、観客を笑わせるようにジョークにパンチをきかせようとします。だから即興をやるわけです。でも、この映画ではそれが不要でした。脚本がすばらしかったから。セリフはすごく独特な形で、リズムを持って書かれています。トーンも独特。だから、私たちが勝手に何かやったなら、そこからはずれてしまったと思います。同じようにはできなかったはず」
――本作ではセックスシーンもたくさんありますね。やりづらいこともありましたか? やりやすくするために何をしたのでしょうか?
(答える前にマーガレットとジェラルディンが声を出して笑う)
ジェラルディン「私たちはいつもこんな感じで笑っていたんですよ。本当にいつもこんな感じで。(監督に)『はい、アクション! 笑うのやめて』と言われるまで。そこは大丈夫でした。セクシャルな要素がある映画ではありますが、私たちは安全な環境に置かれていたので。この映画のセックスはすごくバカらしくて大袈裟。でも映画にとって意味のあることで、美しくもあり、エレガントであると思います。安心してオープンになれる環境でした」
マーガレット「安心してエッチな気持ちになれましたよね(笑)」
――この映画にはインティマシー・コーディネーターがいたのですよね。彼女との仕事はいかがでしたか?その人がいることで助けになったと思いますか?
マーガレット「正直言って、そんな人がいたことを覚えていないのですよね。でも、いたんでしょうね」
ジェラルディン「私は覚えていますよ。ショートヘアの人。すごく良い人でしたよ」
マーガレット「でも、全部、とても安全だったんですよ」
ジェラルディン「私たちはとても安全だと感じていました」
マーガレット「もともとがみんなお互いに気を遣う安全な現場だったので、そこに(インティマシー・コーディネーターである)彼女を入れるのは、おまけみたいなもの。感動させるセックスシーンはジェラルディンとのもの。私がかかわるほかのセックスシーンはアクションみたいなもので、そんなに現実的なものではありませんし」
――マーガレットへの質問です。あなたが演じるキャラクターは自由を謳歌する女性ですが、あなた自身が何の束縛も感じずに自由に振る舞ったのは、最近ではいつですか? この映画のキャラクターのようにロードトリップをしたりしましたか?
マーガレット「ええ、クレイジーなロードトリップはしましたよ。友達と一緒にRV車をレンタカーして、カリフォルニアからモンタナまでドライブしたんです。運転していたのは私。私は、スピードを出しすぎてしまい、警察に止められてしまいました。私は運転免許を携帯していなかったことに気づき、助手席にいた友人に『どうしよう』と言いました。私は車を道の脇に停め、友人は椅子の下をくぐって運転席に着き、私を横に押し寄せました。警官はドアをノックし、友人がそれに応えました。友人はモデルで、すごくセクシーな女性。ブロンドで、タンクトップを着ていました。彼女はRVのドアを開けて、自分の運転免許証を提示しました。警察はそれを見て、そして彼女の顔を見て、『警告で終わらせます』と言って去って行きました。それで終わったのです。助手席に座っていた私は、ホッとしました」
マーガレットのクレイジーなエピソードはさておき、2人が語る撮影現場での様子に触れると、映画で描かれるスリリングな旅がさらに楽しみになる。ぜひ、イーサン・コーエン監督の新たな挑戦として、自由奔放なロードトリップを描いたこの破天荒なガールズムービーを劇場で体感してほしい。