ジャック・ロジエのヴァカンス 2016
2016年10月22日(土)よりシアター・イメージフォーラムにてロードショー
ヌーヴェルヴァーグの映像作家、ジャック・ロジエの特集上映が開催。どの作品を観ても、女の子が集まってキャッキャとしている。彼女たちはみな、若く美しく、エネルギーに溢れている。しかし男たちは、少々間抜けで頼りなく、女の尻に敷かれている。彼の物語の登場人物たちはだいたいそんな感じだ。さらにはフランス人は夏休みを“ヴァカンス”として、こんなにもとことん遊び呆けるものだと知る。とにかく、女は可愛いければいいものだ。そんな物語の終着点に何ら異論はない。
監督:ジャック・ロジエ
『奇蹟がくれた数式』
10月22日(土)より角川シネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマほか全国ロードショー
まだ差別が色濃く残っていた時代にあった、インド人の天才数学者の物語。同業者に人間性までもを否定された彼に、それでも自分の答えを貫き通すことができた強い意志の正体は、一体なんだったのだろうか。それは、愛する人からの期待と、自分自身と同じぐらいの覚悟を持って、自分を支えてくれる存在がいたからであろう。何事も万人が認めていない事実を、真実とするのには、それなりの覚悟と犠牲と時間が必要である。それを越えて初めて、新たな光が見えてくるのだ。
監督:マシュー・ブラウン
主演:デブ・パテル
第29回東京国際映画祭
10月25日(火)から11月3日(木・祝)まで六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかにて
週明けに始まる映画祭ではあるが、来週末には折り返し地点となるので、せっかくなのでこの場を借りて。日本最大級の国際映画祭、<東京国際映画祭>が来週火曜日から開催される。レフン監督の『ザ・ネオン・デーモン』(原題)や、『ボーダーライン』も素晴らしかったドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の新作『メッセージ』(原題)などの話題作が先行上映されるのに加え、今まさに日本映画界を騒がせている『君の名は。』『シン・ゴジラ』などの注目作を世界にお披露目する映画祭である。個人的に注目したいのは、エドワード・ヤン監督の伝説の一本、『牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人事件』。236分という驚異的な上映時間に、日本では約25年ぶりとなるスクリーンでの上映。チケットは前売りが発売された時点で即完だったという。そのほかにも岩井俊二監督のオールナイト上映なども実施される。ぜひ、足繁く通ってみてはいかがだろうか。
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それでは今週も映画三昧!
text by Mara