Netflixオリジナル作品『イカロス』が、第90回アカデミー賞「長編ドキュメンタリー賞」を受賞。
ロシア選手の国家ぐるみのドーピングも描かれたドキュメンタリー
近年、調査の目が厳しくなるスポーツ界での不正薬物使用。
アメリカ人アマチュア自転車選手で映画監督のブライアン・フォーゲルは、スポーツ界におけるドーピングを調査するために自ら薬物を試そうと考えます。
実験として始まったフォーゲルの取り組みでしたが、オリンピックでロシアが国家ぐるみで行ってきたとされる大規模なドーピング疑惑の詳細が明らかとなり、国際スポーツ界を揺るがす大スキャンダルを引き起こします。
情報源は、ロシアのドーピング検査機関元所長、グリゴリー・ロドチェンコフ博士で、プーチンにとって最悪の内部告発者となりました。
昨年12月、IOC(国際オリンピック委員会)は、ロシア選手のドーピングが国家ぐるみで行われていたことを受け、平昌オリンピックにロシアが参加できないことを正式に発表。
ロシア選手の国家ぐるみのドーピングが発覚したのは、2014年12月9日ドイツの公共放送・ARDのスクープでした。こうしたロシアのドーピング問題が発覚する前から、その中心人物と接触していたのが、フォーゲル監督。
サンダンス映画祭審査員特別賞(オーウェル賞)を受賞し、「常識を覆すドキュメンタリー」『VARIETY』、「数え切れない驚異の展開」『INDIEWIRE』、「うちのめされる」『COLLIDER』とアカデミー賞「長編ドキュメンタリー賞」受賞前から、話題になっていた作品です、
フォーゲル監督受賞コメント
受賞を受けて、フォーゲル監督は「私たちは『イカロス』が、ロシアが目を覚ますきっかけとなってくれることを願っています。そして、この作品を通して、なによりも真実を伝えることの重要性を痛感しました」と受賞の喜びよりも真実を伝える使命について語りました。