これまでアカデミー賞に延べ31回ノミネートされ『ファーゴ』(96)2部門、『ノーカントリー』(07)4部門計6部門の受賞を誇るアカデミー賞常連のコーエン兄弟。そんな彼らの最新作『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』。本作を成功させるにあたりコーエン兄弟が強くこだわったこと、それは「ルーウィン・デイヴィスの演奏シーンはアフレコではなくライブ撮影する」ということだった。しかし、歌唱力と演技力を併せ持つ人物はなかなか見つからず、そのこだわりは逆にコーエン兄弟を苦しめることとなる。しかし—。そこに現れた逸材が“オスカー・アイザック”だった。彼は12歳のころからギターを弾き、作曲もしており、さらにはジュリア―ド音楽院出身で、その見事なギタープレイと歌声はコーエン兄弟さえも唸らせた。
さらに、オスカーは2002年に俳優デビューしてから、TVシリーズでキャリアを積み『マリア』(06)のヨセフ役で注目を集め、その後『ワールド・オブ・ライズ』(08)、『ダイアナの選択』(08)、『チェ 28歳の革命』(09)、『アレクサンドリア』(09)、『ロビン・フッド』(10)、『エンジェルウォーズ』(11)、『ドライヴ』(11)、『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』(11)、『ボーン・レガシー』(12)などコンスタントに多数の作品に出演。そして遂に映画初主演となる本作ではその円熟味を増した演技、見事なギター演奏と歌声で2014年ゴールデン・グローブ賞、インディペンデント・スピリット賞ほか数々の映画祭において主演男優賞にノミネートされており、実力派俳優としての階段を着実にのぼっている俳優。コーエン兄弟の大ファンで、フォーク・ミュージックも大好きだったために本作のオーディションを熱望し、見事主人公の座を射止めたオスカー・アイザック。本編での演奏シーンは全て吹き替え無しで本人が歌っていて、惜しみなく美声とギターの腕前を披露している。
日本ではみうらじゅん氏がいち早くオスカー・アイザックをイラスト化!
こうして、コーエン兄弟にみそめられ2013年カンヌ国際映画祭グランプリ作品の主演をはったオスカー・アイザック。彼の注目度はそれだけにとどまらず、今非常に“ホット!”な俳優としてその勢いは止まらない。というのも、現地時間4月29日、遂に正式発表となった『スター・ウォーズ エピソード7(仮題)』の出演キャストの中に、このオスカー・アイザックが入っていたのだから! 2015年の公開に向けて5月から撮影開始ということで、まだ明らかにされていない役どころについても今後、非常に注目である。
日本では、既に本編を鑑賞し、「面白い!!」と大絶賛評を残したボブ・ディラン好きのみうらじゅん氏が、いち早くオスカー・アイザックを描き下ろしイラストにしている。オスカー演じる愛らしくて憎めない主人公ルーウィンを演じたオスカー・アイザックや、その他共演陣のキャリー・マリガン、ジャスティン・ティンバーレイクなどもイラスト化。さらに… 本編で少しだけ登場する“ボブ・ディランらしき人物”もイラストの中でばっちり登場しているので是非注目してもらいたい。なお、このイラストを使用した特別ポスターは一部劇場で掲出される予定だ。
インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
5/30(金)、TOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館 他 全国ロードショー
監督・脚本:ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン
音楽:T・ボーン・バーネット
出演:オスカー・アイザック、キャリー・ マリガン、ジョン・グッドマン、ギャレット・ヘドランド、ジャスティン・ティンバーレイク
2013/アメリカ/104分
提供:東宝、ロングライド
配給:ロングライド
Photo by Alison Rosa (c)2012 Long Strange Trip LLC