昨年10月に公開を迎え、世界中で社会現象となったDCコミックス原作の映画『ジョーカー』。R-15にも指定されるほどの過激な表現と、アメコミを原作としながらも現代社会へ疑問を投げかけるその内容に、世界中で話題に。第92回アカデミー賞では、ホアキン・フェニックスが獲得した主演男優賞を含め、最多11部門にノミネートされ、ジョーカー旋風を巻き起こした。そんな本作が新たな記録を打ち立て、注目を集めている。
『ジョーカー』がイギリスで最もクレームの多かった映画に!
イギリスの全英映像等級審査機構の情報によると、『ジョーカー』が公開されたのち、R-15指定であることについて20件のクレームが寄せられ、昨年度公開の映画の中で等級指定に関する最もクレームの多い作品となったことが明らかになっている。本作で表現されている「暴力描写と(映画全体の)ムード」がR-15にふさわしくなく、18歳未満の鑑賞を禁ずるべき、とのクレームが最も多い意見だったという。また一部では、上映そのものを禁止すべき、との意見も寄せられていたのだとか。
一方で、クレーム数20件という数字は決して多い数字ではない様子。全英映像等級審査機構に寄せられた昨年度のすべての映画に対するクレームは149件で、『ジョーカー』へのクレームはわずか13%ほど。さらに2019年のクレーム数は、2018年から約半数近くも少なくなっているそう。また同じくジョーカーを題材に、クリストファー・ノーラン監督が手がけた2008年公開の映画『ダークナイト』には300件を超えるクレームが届いていたというから、これを鑑みると、『ジョーカー』のR-15指定はそれほど問題視されていないとも言えそうだ。
全米公開時には、事件が起こる可能性を警戒して、映画館でのセキュリティが全国規模で強化されるなど、作品の完成度の高さのみならず、さまざまな角度で話題を呼んだ『ジョーカー』。現状、続編制作の予定はないものの、世界中から期待されていることは確かだ。できるならば、もう一度だけでもホアキン・フェニックス演じるジョーカーの姿を拝みたいところ。今後の情報に期待しよう!