現在世界中で注目を集めているDCコミックス原作の映画『ジョーカー』。主演ホアキン・フェニックスの迫真の演技と、監督トッド・フィリップスの卓越した手腕がうかがえる演出に、早くもアカデミー賞作品賞の候補に上がるのではないか、と目されている。一方で、暴力的な描写が多いことを理由に、物議を醸している作品でもある本作。すでに鑑賞しているアカデミー会員もどうやらその評価に悩んでいるようだ。
『ジョーカー』アカデミー受賞なるか?
米ウェブ誌・The Hollywood Reporterはいくつかのアカデミー会員に、問題作として取りざたされている『ジョーカー』に対する評価について取材を敢行している。ある男性の会員は「トレーラーが解禁されたときは、映画のストーリーについてまだ何も描かれていませんでした。美しい映像に、デザイン、コスチュームなど、どのレベルにおいても素晴らしい技術が見受けられました。(『ジョーカー』の監督)トッド・フィリップスの映画は非の打ち所のない作品ばかりです。ですが、私はこの映画を心底軽蔑します。とても嫌な気分になりました」と、気分を害すほどの出来だったとまで語っている。
また他の女性会員は「うーん、変で気分が落ち込む映画ですね。なんとなく魅了された気もするけど……一体何に魅了されたんだろう? 映画の特筆すべき特色が見当たらなかった。素晴らしいパフォーマンスに感動的な演出ですけど、全体を通して不快な体験の方が上回っていました」と、その魅力を見つけるのが難しかった様子。
「大きなスクリーンで見た」という男性会員は「作品賞を獲るはずだ」とまで断言するほど本作を評価しており、また他の男性会員は「私の息子は21歳なんだが、この映画が好きなんだよ。彼の年代にとってはきっと何かしら意味があるんだと思う」と年代によってその評価が分かれるのではないか、と指摘している。
演出に対しては意見が二分されている一方で、ジョーカーを演じた主演のホアキン・フェニックスの演技に対しては「アカデミー主演男優賞ノミネートは確実」とまで言わしめるほど、比較的高評価な意見が多い。
世間を騒がせている本作は、これまで多くの名作を見届けてきたアカデミー会員であってもその評価に苦しむほどの問題作のようだ。これほどまでに人々を魅了する映画はなかなかないはず。まだ観ていないという方は、ぜひ劇場へ。
映画『ジョーカー』本予告【HD】2019年10月4日(金)公開
INFORMATION
ジョーカー
絶賛公開中!!
監督・製作・共同脚本:トッド・フィリップス
共同脚本:スコット・シルバー
キャスト:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
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