昨年公開され、世界中の注目を集めたDCコミックス原作の映画『ジョーカー』。その注目度の高さは本年度のアカデミー賞11部門でノミネートされるほど、今も高まり続けているが、その一方で、本作の監督を務めたトッド・フィリップスは映画を鑑賞したファンからの多くのバッシングに「困惑した」という。

『ジョーカー』監督トッド・フィリップス「面食らったよ」

本作は、過激すぎるほどの暴力の描写が多数散りばめられており、18歳未満が鑑賞できないR指定を受けるほどの内容となっていることも話題となった。一部メディアでは、その過激な描写が鑑賞した人々の暴力を誘発するのではないか、とも伝えられ、公開当日のアメリカの一部の映画館では警察が配備されるほどの騒ぎとなった。

この騒動に対し、監督のフィリップスはインタビュー内で、当時のことを思い返し「率直にいうと、まったく準備できてなかったんだ。この映画は暴力の程度に対してまるで無責任かのように鑑賞した人たちが話していることに当惑したし、僕と(主演の)ホアキン(・フェニックス)は、これほど暴力描写に配慮した映画を長い間観ていないと感じていたほどだった」と、世間の反応とは真逆の考えであったことを明かしている。

「暴力の影響を現実世界に見せたとしたら、それが暴力を取り扱う上でひとつの責任ある方法じゃないか? 暴力が胸糞悪くて、恐ろしいものだってことを見せるのは、暴力を賞賛するよりももっと効果的で、責任あることだと思わないか?」と、自身が監督した作品について語っている。

また「結局は単なる映画なんだ。それにその表現が推奨することと同じというわけでは絶対にない。だから面食らったよ」と暴力を推奨するつもりは全くなかったことを説明している。

映画だけでなく、表現には否定的な意見がつきものだが、これほど注目を集めた作品となると、その批判に対処するのも一苦労だろう。もちろん、否定的な意見ばかりでなく、本作を賞賛する意見も数え切れないほど存在している。果たしてアカデミー賞ではどれだけのオスカーを獲得するだろうか

映画『ジョーカー』本予告【HD】2019年10月4日(金)公開

アカデミー賞ノミネート『ジョーカー』監督トッド・フィリップス、数多くのバッシングに「困惑した」と語る film200122_joker_toddphillips_main
Photo via @jokermovie(Facebook)