昨年10月、吉祥寺のロフト前にオープンしたミニシアター『ココロヲ・動かす・映画館○(通称:ココマルシアター)』。気になってはいたけれど、まだ行ったことがないという方も多いのではないでしょうか?
今回は、オープン前から何かと話題になっているココマルシアターの“今”をレポートします。
『ココロヲ・動かす・映画館○』とは?
「ココロヲ・動かす・映画館○(以下、ココマルシアター)」とは、クラウドファンディングによって資金を募り、2017年10月21日に吉祥寺にオープンした、3階建てのミニシアター。
1階が劇場、2階がカフェスペース、3階はカフェ利用もできる展示スペースとなっています。
いざ、ココマルシアターの中へ
こちらがエントランス。チケット購入のほか、お料理やドリンクなどもここでまとめて注文できます。バックには『ロッキー』や『時計じかけのオレンジ』などの名作映画ポスターのコラージュが貼ってあり、ミニシアターならではの世界観を感じます。
オープンから早4ヶ月経った現在の客入りですが、オープン時と比べてお客さんは2~3倍に増えているそうで、土日の人気作品の上映では、席が埋まることもあるんだとか。
この日、上映していたのは臼田あさ美さん主演の『南瓜とマヨネーズ』。
現在上映されているのは、2016年〜現在までに公開されたミニシアター系の邦画や洋画が中心ですが、支配人の樋口さんによると、これからは徐々に50年代や60年代などの昔の映画や、日本では配給されていない海外映画なども上映していきたいのだそう。
また、映画館に来場したお客さんに映画の世界をより楽しんでもらえるよう、館内に昔の映画のパンフレットや映画雑誌などを置く計画などもあり、現在資料を収集している最中ということなので、映画+αの楽しみ方ができる日も近いかもしれません。
内装はパリのモンマルトルをイメージ
ココマルシアターの内装のイメージは、1960年代のパリ・モンマルトル。
照明や小物など、ところどころにそのエッセンスを感じます。
お手洗いは、モンマルトルを舞台にした映画『アメリ』をイメージしたそうです。
こちらの赤い壁は女子トイレ。おしゃれ感に思わずテンションが上がります。
1階はフードカウンター&カフェスペース
階段を上がると、目の前にカウンターがあり、1階で支払いを済ませたドリンクやフードを受け取れる仕組みになっています。
カウンターの左手にあるカーテンをくぐると、様々な椅子が並ぶカフェスペースがあります。
500円+ドリンク代でスクリーンに写っている映画を自由に観ながらくつろぐことができますが、利用しているお客さんはまだまだ少なく、現在はイベントスペースとしての用途がメインとなっているんだとか。
これからは、このスペースをより本格的なカフェにして営業していくことを検討しているそうです。
象のはな子が待つ3階へ
3階の展示スペース&フリースペースでは、2016年5月にこの世を去ってしまった吉祥寺のシンボル“アジア象のはな子”の等身大オブジェがお出迎えしてくれます。
吉祥寺は、武蔵野美術大学に通い、卒業後も西荻窪に住んでいた支配人にとって青春の思い出の地。
元気がない時や悩みがある時にふと会いに行くなど、はな子に対しても特別な思い入れがあり、等身大のはな子像をシアターに置こうという考えに至ったそうです。
それにしても、で……でかい!
後ろ姿もこの通り! どーーーん!
井の頭自然文化園の協力のもと完成したというはな子像は、細部にいたるまでとてもリアル。
はな子像の優しい眼差しに、昔象舎で見たはな子を思い出し、懐かしく切ない気持ちになりました。
また、2階と同じく3階のスペースも、500円+ドリンク代を払うことでフリースペースとして利用でき、フリーwifiやコンセントも自由に使用することができます。
この日も、帰りがけに覗いたところ、2~3人の方がはな子の傍でパソコンを広げていました。
はな子に見守られながら勉強や作業をしたい方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか?
ココマルシアターのこれからに注目!
ココマルシアターは、まだまだ試行錯誤の真っ最中。
様々な課題を解決し、いつか“吉祥寺の顔”として愛されるミニシアターになることを目指して成長を続ける姿に、これからも注目です!
text & photo by Tomoko Asai