“攻殻”ファン待望の『攻殻機動隊ARISE』シリーズ第3話『攻殻機動隊ARISE border:3 Ghost Tears』が、いよいよ6月28日(土)より全国にて上映される。本作の上映を前に、『踊る大捜査線シリーズ』(監督)、TVアニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』(総監督)など、実写、アニメで数々のヒット作を手がけた本広克行氏による「攻殻機動隊」ショートコンテンツプロジェクト「攻殻機動隊ARISE border:less project」の映像が完成、公開された。

この企画は、本広監督がプロジェクトプロデューサーを務め、様々な映像分野のクリエイター達が『攻殻機動隊ARISE』をテーマとした独自のショートムービーを制作するというもの。3月28日にはTOHO シネマズ日本橋にて完成披露上映会が実施され、この度全5作品の映像が公開されることとなった。

都会のランドスケープを実写映像によって、作品の舞台である2027年の世界を表現した「FORESEEING2027」。京都の劇団・ヨーロッパ企画によって描かれる、攻殻ファンが体験する異色のホラードラマ「memory」。作品で描かれる“電脳”化された人々が見る視覚と、それがもたらす感覚と感情の揺らぎをアブストラクトな映像で表現した「COLOR」。作品の持つ大きな要素である“記憶”をテーマに、女子高生が友達の女の子に抱く淡い恋心を瑞々しく描いた「島村ユキは田中ケンジを忘れない」。「攻殻機動隊ARISE」本編の映像をミュージックビデオ的なアプローチでコラージュし、爽快感あふれる映像で紡いだ「WORKING HIGH」。5作品の映像及び、手掛けた各監督のコメントは以下の通り。

各監督のコメント

FORESEEING 2027/監督:笹口悦民(ささぐち よしひと)

プロフィール:ブルータス編集部にてアシスタントを務め、写真家安部英知氏に師事。独立後、Beauty・Fashion・Stillフォトと幅広い分野において第一線で活躍し続けながら、写真展の開催など作家活動にも力を入れている。NYフィルムアカデミーサマープログラム履修。現在は映像制作にもフォーカスし更なる境地を目指している。SIGNO所属。

「2027年の東京をイメージして映像を作りましたが、一切CG技術を使わず、アナログの撮影技術を駆使して全カット実写という部分にこだわって作りました。まだ誰も想像したことのない東京の景色をお楽しみ下さい」

memory/監督:山口淳太(やまぐち じゅんた)

プロフィール:1987年生まれ。大阪府出身。2005年、京都の劇団・ヨーロッパ企画に映像スタッフとして参加。2011年にスタートしたNHK・Eテレの紙人形劇番組「タクシードライバー祗園太郎」では、撮影・編集を担当。また、自主映画の監督も手がけ、ホラー短編「友達の家」(2013年)は、『ヨーロッパ企画presents第8回ショートショートムービーフェスティバル』で、グランプリを獲得。

「【攻殻機動隊ARISE × 実写ホラー × ファン心理】をテーマに、この「memory」を作りました。『攻殻機動隊ARISE』をまだ見たことがない方にも、ぜひご覧頂きたいと思っております!」

COLOR/監督:尾野慎太郎(おの しんたろう)

プロフィール:1988年東京生まれ。ブラジルで幼少期を過ごし帰国。武蔵野美術大学卒業。2012 Student Films 7+」に参加した際、審査員を務めていた本広克行監督と知り合い、同氏が総合ディレクターを務める「さぬき映画祭」にメイキングカメラマンとして参加。その後、フリーカメラマンとして、音楽、アート、ファッションとジャンル問わず活動中。

「電脳化を施された人がまもなく迎えるであろう、とまどいを想像してみました。自分の視覚ですら信用できなくなった彼女にとって、確かな感覚はコップ1杯の水にしか残っていなかったのだと思います」

島村ユキは田中ケンジを忘れない/監督:山岡大祐(やまおか だいすけ)

プロフィール:学生時代より自主製作で映画作りを始め、 数多くのコンクールで受賞、入選を果たす。07年に製作した『ロストガール』は、独・ドレスデン国際映画祭、英・レインダンス映画祭等に 正式招待され、国内でも渋谷ユーロスペース他にて劇場公開、好評を得る。企画・脚本『朝日ヶ丘の素晴らしき人々』(共同脚本:江藤有吾)は、2010年サンダンス・NHK国際映像作家賞グランプリを受賞。短編『いいね!』は、2013年FOXムービープレミアム短編映画祭で最優秀作品賞受賞。

「『攻殻機動隊』で重要なモチーフである<記憶>をビジュアル化したい! という欲望から産まれた短篇です。攻殻ファンにもそうでない人にも楽しんでもらえる作品を目指しました。楽しんでもらえれば幸いです」

WORKING HIGH/監督:梅脇かおり(うめわき かおり)

プロフィール:1986年生まれ。東京工芸大学を卒業後、CM・PV制作会社を経て、佐藤敦紀のアシスタントを勤める。主な演出作品に、sfpr「wish」Music Video、聖☆おにいさん「SYO-GYO-MUJYO」PV等。

「感覚的に楽しんでいただけたら大変嬉しく思います。攻殻女子増えろ! という念も込めておきました」

『攻殻機動隊ARISE border:less』projectとは

“攻殻機動隊”は境界を越え、拡大する――本広克行監督をプロジェクトプロデューサーに迎え、ジャンルを超えたクリエーター達が独自の「攻殻機動隊」の世界を描く、同時多発的映像コンテンツプロジェクト。

プロジェクトプロデューサー:本広克行
1965年生まれ。香川県出身。1992年ドラマ『悪いこと』で監督デビュー。数々のドラマを手掛け、1997年映画『7月7日、晴れ』にて劇場デビュー。2003年に公開された映画『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』では、日本映画(実写)興行収入記録歴代一位の座を獲得。その後も『交渉人 真下正義』『サマータイムマシン・ブルース』『UDON』等、数々の作品を手掛ける。近年はAKB48 PV『Everyday、カチューシャ』、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』総監督と活躍は多岐に渡る。最新作ショートムービー『Regret』はネスレシアターon YouTube にて100万回再生を超えた。

『攻殻機動隊ARISE border:3 Ghost Tears』

TOHOシネマズ 六本木ヒルズ、新宿バルト9ほかにて全国劇場上映  
 
【CAST】
草薙素子:坂本真綾/荒巻大輔:塾 一久/バトー:松田健一郎/トグサ:新垣樽助/サイトー:中國卓郎/パズ:上田燿司 ボーマ:中井和哉/ロジコマ:沢城みゆき
【STAFF】
原作:士郎正宗/総監督・キャラクターデザイン:黄瀬和哉/シリーズ構成・脚本:冲方 丁/メカニックデザイン:柳瀬敬之/美術監督:竹田悠介・益城貴昌/美術設定:加藤 浩(ととにゃん)/プロップ・美術設定:荒川直樹/3DCG監督:井野元英二/撮影監督:田中宏侍/モーショングラフィック:上村秀勝/特殊効果:村上正博/編集:植松淳一/音楽:コーネリアス/音響監督:岩浪美和/アニメーション制作:Production I.G/製作:「攻殻機動隊ARISE」製作委員会