7月23日(金)より映画『最後にして最初の人類』がヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほかにて公開を迎える。本作の原作であり、1930年の初版刊行以来、『2001年宇宙の旅』でも知られるアーサー・C・クラークにも大きな影響を与えた『最後にして最初の人類』。残念なことに現在邦訳版が絶版となっているSF小説の金字塔だが、この度、映画の公開を記念し、その序文が期間限定7月16日(金)~8月15日(金)まで、Webで無料掲載されることに!
『最後にして最初の人類』の原作小説序文が無料で公開決定!
掲載にあたって、漫画家・随筆家によるヤマザキマリから原作に寄せられたテキストとイラストも公開。ヤマザキは、原作と映画を評して「オラフ・ステープルドンによる原作は、1ページの中に綴られた文字数の100倍以上の情報が織り成されていると言っていい、壮大な叙情詩である。その圧倒的な世界観を、わずか70分の映像は余計な負荷も虚勢もまとうことなく、堂々と、そして飄々と顕していた」と書き、高く評価している。いずれも配給会社シンカのnoteに期間限定にて公開され、原作序文およびヤマザキの寄稿は、上映劇場で販売される完全読本(予価1,000円)にも収録される予定だ。
また、映画に寄せて、新たに写真家の瀧本幹也、映画・音楽ジャーナリストの宇野維正からもコメントが到着。『そして父になる』『海街diary』『三度目の殺人』など是枝裕和作品の撮影監督としても知られる瀧本は、映画を評して「モノクロームの映像と音楽が、ただただ美しく、『コヤニスカッツィ』を想い出した」と絶賛のコメントを寄せている。この機会にぜひ『最後にして最初の人類』の世界観の一端に触れてほしい。
瀧本幹也(写真家)
それは太陽なのか、ウイルスか?
この地球が20億年の後、存在していることに気づかされてハッとした。
そんなにも先の地球を想像したことがなかった。知ってはいけない事を、視てしまった感覚。
モノクロームの映像と音楽が、ただただ美しく、「コヤニスカッツィ」を想い出した。
本作のような映画を、映画館で鑑賞できる幸せを噛みしめている。
宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)
ヨハン・ヨハンソンが最期の日々に何を考えていたのか?
それはこの遺作を観てもわからない。
でも、永遠に「わからない」ということがわかった気がする。
それだけでも、ファンにとっては必見作と言えるだろう。
映画『最後にして最初の人類』7月23日(金)全国順次公開
INFORMATION
最後にして最初の人類(原題:Last and First Men)
7月23日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテにて全国順次公開
2020年/アイスランド/英語/71分/ヨーロッパビスタ/5.1ch/DCP
配給:シンカ
★第70回ベルリン国際映画祭正式出品作品 原作:オラフ・ステープルドン著「最後にして最初の人類」
監督:ヨハン・ヨハンソン ナレーション:ティルダ・スウィントン
プロデューサー:ヨハン・ヨハンソン、ソール・シグルヨンソン、シュトゥルラ・ブラント・グロヴレン
撮影:シュトゥルラ・ブラント・グロヴレン(『アナザーラウンド』『ヴィクトリア』)
音楽:ヨハン・ヨハンソン、ヤイール・エラザール・グロットマン
©️2020 Zik Zak Filmworks / Johann Johannsson