『殺人の追憶』- 華城連続殺人事件
韓国三大未解決事件!時効後を描いたフィクション。その後を描いた『殺人の告白』も!!
1986年の京畿道。静かだった町に不釣合いな殺人事件が発生。その後、連続して強姦殺人事件が繰り返される。事件は世間の注目を浴び、周辺で10人の女性が殺害された。「雨の日に赤い服を着た女が殺される」という噂が流れるなど、その猟奇的な殺人方法も注目された。一帯は<連続殺人>という縁のなかった犯罪の恐怖に包まれ、韓国史上かつてない警察動員数が投入されたにも関わらず、韓国史上最初の連続殺人で未解決のまま時効を迎えた。
映画あらすじ
86年、ソウル近郊の農村で、同じ手口による若い女性の惨殺事件が連続して発生。地元の刑事パク・トゥマンとソウル市警から派遣された刑事ソ・テユンは対立しながらも捜査を続け、有力な容疑者を捕らえる。なかなか犯人が見つからない焦り、決定的な証拠が出てこないまま自白に頼らざるを得ない状況……犯人を追い詰めているはずが追い詰められていく刑事たち。「事件の解決」を求めるのではなく、「事件から炙り出される人間の業」に焦点をあて、息がつまるほど緊張感溢れる演出で描き出す。
殺人の追憶(字幕版)
『チャイルド44 森に消えた子供たち』- アンドレイ・チカチーロ
1978年から1990年にかけて、おもにロシア・ソビエト連邦社会主義共和国内で52人の女子供を殺害した、ウクライナ生まれの連続殺人者アンドレイ・チカチーロ。犯行は当時のウクライナとウズベクなど広範囲に及び、事実上ソ連全土に犯行が及び、国内を震撼させた。「連続殺人」とは資本主義の弊害がもたらすもの、この国には存在しない、との立場から同一犯の可能性を視野に入れない捜査が行われたこともあり、事件解決まで12年もの時間がかかり、被害が拡大した。
映画あらすじ
53年、ソ連で少年たちが全裸で胃を摘出され、溺死した変死体として発見される。しかし、犯罪なき理想国家を掲げるスターリン政権は、殺人事件は国家の理念に反することから、事故として処理する。秘密警察の捜査官レオは、親友の息子の死をきっかけに、自らが秘密警察に追われる立場になりながらも事件の解明のため捜査を開始するが……。
チカチーロの事件に着想を得て、イギリス作家トム・ロブ・スミスが書き上げた「チャイルド44」が原作。異常殺人者に迫るのではなく、当時のソ連体制を問うとともに、人間関係を描くドラマとなっている。
映画『チャイルド44 森に消えた子供たち』予告編
『裁かれるは善人のみ』
2015年10月31日(土)より新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ
製作:シャルル・ジリベール
脚本:アンドレイ・ズビャギンツェフ
撮影:ドニ・ルノワール
キャスト:レクセイ・セレブリャコフ、エレナ・リャドワ、ウラディミール・ヴドヴィチェンコフ、ロマン・マディアノフ
原題:Leviathan
製作年:2014年
製作国:ロシア
配給:ビターズ・エンド
上映時間:140分
© 2014 Pyramide
edit by Qetic・Yukika Tasaki