映画『ラッキー』の公開を記念し、代官山蔦屋書店のレギュラーイベントの一つ<代官山シネマトーク>とのコラボイベントが3月9日(金)代官山蔦屋書店にて行われた。
自由で堅物で一匹狼、90歳の頑固じいさんラッキーを演じるのは、2017年9月に亡くなった名優ハリー・ディーン・スタントン。『パリ、テキサス』、『レポマン』、『ツイン・ピークス』、『エイリアン』など 200本以上の映画に出演しているが、そのほとんどが傍役。
1977年『傍役グラフィティ現代アメリカ映画傍役時点』にて「しょぼくれハリー」と名付けた評論家の川本三郎氏をゲストに迎え、スタントンの魅力や映画の見どころを解説した。
川本三郎、映画映画の魅力を力説
川本氏は「正直な話、観る前はあまり期待してなかったんですよ(笑)。主役のスタントンは90歳近くの老人だし、監督は俳優出身のジョン・キャロル・リンチで、初めての監督作品だし。でもね、観たら実に素晴らしくてね」と話す。
スタントン演じるラッキーは90歳。ひとりで住むアパートで目を覚まし、コーヒーを飲み、タバコをふかし、お酒を飲む。けれど決して孤独な老人ではない。
街の人々たちとの日常の交流を描く作品としてジム・ジャームッシュの『パターソン』を挙げた川本氏は、「『ラッキー』は、私の昨年のベストワンである『パターソン』の独居老人版と言えます。映画のタイトルも『ラッキー』と『パターソン』と人物の名前だし、ひょうひょうとした老人の日常をユーモラスに描いているという点でとても似ていると思います」とコメント。
また、「私の世代は、アメリカの西部劇で育っている。この映画は現代劇ですが、アメリカの西部劇の香りがいろんな所でしてとても懐かしい。そんな映画『ラッキー』は観た人みんなおもしろいといいます。絶対見て損はない映画です。中でも終盤でスタントンが、 メキシコ音楽マリアッチの恋の歌“ボルベールボルベール”を歌うシーンは、特にいいんです。歌詞も素晴らしい。 私はそのシーンを毎晩観ながら寝ています。それほど最高の場面です」と力説し、締めくくった。
是非、映画館でアメリカの西部劇の香りを体感してみては?
『LUCKY』
2018年3月17日(土)より、新宿シネマカリテ、アップリンク渋谷、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
監督:ジョン・キャロル・リンチ(『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』出演)
出演:ハリー・ディーン・スタントン(『パリ、テキサス』『レポマン』『ツイン・ピークス The Return』)
デヴィッド・リンチ(『ツイン・ピークス』『インランド・エンパイア』監督)
ロン・リビングストン(『セックス・アンド・ザ・シティ』)
エド・ベグリー・ジュニア、トム・スケリット、べス・グラント、ジェイムズ・ダレン、バリー・シャバカ・ヘンリー
(2017/アメリカ/88分/英語/1:2.35/5.1ch/DCP)
配給・宣伝:アップリンク
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