ビートルズ(The Beatles)やローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)もその影響の大きさを公言し、2019年に創設60周年を迎えた伝説の音楽レーベル〈モータウン〉。その正史を映し出したドキュメンタリー映画『Hitsville: The Making of Motown』が、邦題『メイキング・オブ・モータウン』として9月18日(金)にヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて劇場公開されることが決定した。
〈モータウン〉創設者、ベリー・ゴーディが初めて明かす“伝説を生むノウハウ”
“ヒッツヴィルUSA”の愛称でも知られる〈モータウン〉。創設者のベリー・ゴーディは、米ミシガン州デトロイトの西グランド通り2648番地にある一軒家を拠点に、若者に向けたポップな音楽を発信し、アメリカン・ドリームを実現させた。上昇志向が強く大金を掴むことを夢見ていた彼は、新聞販売員を経てジャズのレコード店を経営し、実業家としての一歩を踏み出す。ジャッキー・ウィルソン(Jackie Wilson)の曲を作って音楽業界に参入し、1959年、家族から借りた800ドルを資金に〈タムラ・レーベル〉をスタートさせ、モータウンの歴史は幕を開けた。
黄金期を彩ったのは、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)、マーヴィン・ゲイ(Marvin Gaye)、ダイアナ・ロス&スプリームス(Diana Ross & the Supremes)、ジャクソン5(The Jackson 5)、テンプテーションズ(The Temptations)、ミラクルズ(Miracles)、フォー・トップス(Four Tops)、マーサ&ザ・ヴァンデラス(Martha & The Vandellas)といったスターたち。ダンスやエチケットも含め徹底した管理体制を敷き、全米No.1ヒットを連発していく様は、かつてゴーディが働いていた自動車工場の組み立てラインをヒントにしていたという。
特に“クオリティ・コントロール”と呼ばれた品質管理会議では、ソングライターやプロデューサーたちの競争心を煽り、ブランドに磨きをかけていく。一方で人種差別や暴動、作家の離脱などの苦難にも直面した。それでも、人種や性別に分け隔てのない社風同様、〈モータウン〉の音楽には分断した社会をひとつにする力があった。やがて反戦などの社会的メッセージを含んだ革新的な楽曲も登場。その時代を作った数々の伝説の楽曲によって、軌跡を辿っていく。
そして本作では、ベリー・ゴーディが初めて自身への密着を許可したドキュメンタリー映画にして、〈モータウン〉が映画ビジネスに参入すべくLAに本社を移すまでの歴史や名曲誕生秘話が、親友であり戦友のスモーキー・ロビンソンと共に説き明かされるほか、関係者やスティーヴィー・ワンダーなど所属アーティストの回想/証言も交えた貴重なエピソードと映像の数々が収録されている。
また、ベリー・ゴーディは昨年89歳で引退することを発表しており、本作は〈モータウン〉在職中に密着した最初で最期の作品となる。そんな彼が初めて明かす“伝説を生むノウハウ”、そして黒人差別や暴動、戦争など激動の地・米国で成功した秘密とは……? ベリー・ゴーディが語る創業一代記であり、20世紀に最も影響力を持った独立レーベルの正史を是非お見逃しなく。
INFORMATION
メイキング・オブ・モータウン
9月18日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて全国順次ロードショー!
監督:ベンジャミン・ターナー、ゲイブ・ターナー
出演:ベリー・ゴーディ、スモーキー・ロビンソン
字幕翻訳:石田泰子
監修:林剛
配給:ショウゲート
2019/カラー/5.1ch/アメリカ、イギリス/ビスタ/112分/原題:Hitsville: The Making of Motown
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